UMAREX(VFC)グロック19X レビュー

レビュー

UMAREX社よりグロック社の正式ライセンスを受けた最新のGBB グロック19Xが発売されました。今回はアメリカ軍のトライアル敗れたものの、ほぼそのまま民間市場向けに販売されたグロック19Xのトイガンを、試射を含めて見ていきたいと思います。

実銃についての簡単な説明

グロックG19Xは、2015年に開始されたアメリカ陸・空軍によるXM17モジュラー ハンドガン システム(MHS:Modular Handgun System)トライアル用に特別に作られたモデルを民間市場向けにアレンジしたモデルで、2018年に発表されました。

G19Xはグロック社の唱えるクロスオーバーピストルという新ジャンルのピストルで「X」はクロスオーバー(crossover)の意味とされています。
クロスオーバーピストルとはコンパクトサイズのG19のスライドとフルサイズのG17のフレームを組み合わせることによって、コンパクトながらフルサイズに匹敵する性能を持たせたピストルということのようです。

グロック社が2017年に発売したグロックGen5の特徴を引き継いではいるものの、カテゴリー的にはGenには属さない特別な位置づけになっているようです。ベースがMHSトライアル用に作られただけあって、全体のタンカラーや、ランヤードリングなどミリタリー色の強いモデルとなっています。

UMAREX(VFC)グロック19Xについて

△上:UMAREX(VFC)G19X、下:UMAREX(VFC)G19 Gen3

長年、トイガンへのライセンスに慎重だったグロック社が、ドイツのUMAREX社にライセンスを与えたのが2018年。グロック社公認モデルとして発売されたのがグロック17Gen4とグロック19Gen3。公認モデル第3弾としテ発売されたグロック19Xは5月下旬ごろから国内に流通され始めました。

ちなみにUMAREX社は元々ブランクガンメーカーで(ワルサー社の親会社でもあります)、エアガンに関してはフランスのCybergun社と同様自社で生産会社を持たないファブレスメーカー型の業態のようで、実際の生産は台湾のVFC社が行っているとされています。

パッケージは前作のグロック19に似たグロックロゴを前面に押し出した2色刷りのシンプルなデザイン。形状はN式と呼ばれる一枚紙から組み立てるローコストタイプですが、G19X用の専用パッケージだったりUMAREX社のホログラフィック(偽物防止策でしょう)が貼られているところなんかは、国際的メーカーならではの生産量の多さと販売地域の広さなどが窺えます。

付属品は「使用マニュアル」と「安全の手引き」、「HOP調製用レンチ」だけです。グロックGen5と同等のフレームなら付いてきそうな、追加式のバックストラップはおろか、試射用のBB弾すら付属しません。製品以外のローコスト化西勢は、国産メーカーには無い潔ぎ良さを感じます。

次にG19Xの外見から見ていきます

最近流行のタンカラーは印刷物や画像で色が転びやすい事もあって、実銃の色に似ているかどうかは、直接現物と比較しないと正直分からないと思っていますが、個人的なイメージに近い色目だと思っています。

専門誌の記事などではスライドカラーはPVD処理によるものとされているので、アルマイト加工のような金属感があるようですけど色目が気に入っているので、そこまで気にならないですね。

他に目立つ部分はトリガー上部のロッキングブロックピンが廃止され、トリガーピンのみになっています。これはGen5から改良された部分ですけど、しっかり再現されています。

スライド先端は、Gen5から採用された面取加工がなされていてデザイン上のポイントになっています。フレーム先端もスライドに合わせた面取が行われているのがGen5と異なるところです。

スライドのグロックロゴ、「19X」のモデル名、生産国「AUSTRIA」、使用口径「9×19」は実銃通り。「AUSTRIA」刻印は、パーツをオーストリアで作って、アメリカ国内で組立てているということなんでしょうね。

レイル部分は従来の国産メーカーのものよりも、微妙に左右のサイズが大きいようでワンタッチで装着するタイプの実銃用ウェポンライトはかなりキツ目で、一旦入れると取り外しが難しそうです。

アクセサリー類はスクリューで固定するものに限定した方が良さそうです。

前方から見たデザインはスライド&フレームが面取されている事もあって、G26に似ています。ホルスターへの出し入れを意識した改良と思われますが、角張ったイメージの刷新にもなっていますね。

バレルは新型のマークスマンバレルを再現しているようで、ライフリングも従来よりも角が深くなった6角形となっています。

リコイルスプリングガイドにはHOP調製機能があって、ガイド正面の穴に付属の3mmレンチを差し込んで右に回せばHOPを強めることができます(弱める場合は逆に回します)。

外見を崩さずに分解しないでHOP調整できる機能を持たせたのは立派ですね。クリックもあるので勝手に動く心配も無さそうです。使い勝手でも国産トイガンに勝る部分が出てきました。

スライドを引くと、Gen5からダブルになったリコイルスプリングが露出します。実銃でも賛否があるようですけど、性能はともかく見た目的には美しくないですね。

フロント&リアサイトは、実銃通りグロック社製のナイトサイトを再現しています。そのためホワイトドットが大きめになっていますがサイト自体は見やすいです。サイト上面のグロックロゴや側面の文字などの再現性は高いのですが、実銃と異なり樹脂製なのが残念です。

ダストカバー部にある金属プレートのシリアルNOは個々のモデル固有の連番になっているようで、パッケージのシリアルNOと同じものが入っています。

国内メーカーではKSCが行っていますが、販売数が桁違いに大きいと思われるUMAREXが同じ事をしているのは正直驚きました(画像のシリアルNOは下2桁を消しています)。

Gen5で改良された、フィンガーグルーブなしのフロントストラップによって、グリップが格段に握りやすくなっています。角張った感じも無いですし、新しい滑り止めのパターンも手にフィットします。

個人的には各社グロックシリーズのトイガンの中でも最高だと思います。

グリップ部分にはグロック社公認の証し「グロックロゴ」がしっかり入っています。やっぱりロゴがあるだけでイメージが違いますね。

ロゴ周りが実銃と違って光沢があるのが気になりますけど、実銃用のパーツ特別するためかもしれないですね。

フロントストラップ下部の出っ張りは、緊急時のマガジン脱着用に採用されたGen5の半円型カットとは異なるデザインですが、その意図はよく分かりません。この出っ張りのおかげで、Gen5とマガジンの互換性が無くなっているというのも解せないですね。

マガジンキャッチはGen4で改良された左右交換できる大型のものですが、形状はGen5等とも微妙に異なり前方にRが付けられたものになっています。

パーツ形状を見る限りトイガンでも左右交換の機能はありそうですが、マガジンキャッチスプリングが固めだったので、分解を断念。実際に交換できるかは現状ではわかりません。

ダブルカラムマガジン用のマガジン挿入口はテーパー加工がされて、更に広げられています。後部のランヤードリングは別パーツで取り外し可能のようですが、きつく嵌まっているので今回はこちらも取り外しを断念しました。

スライド右側には実銃同様に「BFRB990」の製造NOとグロックロゴが。チャンバー部にも「BFRB990」の製造NOが入っています。この製造NOはG19X共通のものとなっています。

グロックシリーズのアンビスライドストップレバーをトイガンで再現したのは、このモデルが初ですね。頻繁に使用するものではありませんが、あると確かに便利です。

右側グリップ下の「Offichiality Licensed Product of GLOCK」の刻印は、唯一実銃刻印と異なる部分ですけど、無地よりはずっとマシだと思います。

実銃の場合は「MADE IN AUSTRIA GLOCK, INC., SMYRMA, GA 」の生産国とU.S.GLOCK社の所在表記と楕円部分にはUSパテントNO,「U.S.Pat,S 8.156.677」が入っています。

実銃のカラーマッチしたマガジンと同様、本体と同色のタンカラーマガジン。マガジンフォロアーの出っ張りが大きくて、給弾レールの幅が広くなっているので指でフォロアーを引っかけやすくなっています。

マガジン自体は前作のGen3グロックと同じものなので、共有できるのは便利。

マガジンボトムは注入バルブが露出しないリアルなタイプ。トイガンとしての使い勝手よりも模型としてのリアルさを追求した作りで、ボトムだけ見ると実銃そっくりです。

ガスを注入するには、給弾レールの下側にあるレバーを引き上げてロックを外し、マガジンボトムを前方にずらせば注入バルブが現れます。

次は簡単に内部を見ていきます

分解は従来のグロックと同じで、ハンマーをコックした状態でスライドを少し引きながら、フレームのスライドロックレバーを下げながらスライドを前進させて前方から抜き出します。

スライドから、リコイルスプリングユニットとバレルユニットを取り外せば、通常分解は終了します。

△上:UMAREX(VFC)G19X、下:UMAREX(VFC)G19 Gen3

G19Xになってからスライドロックが左右平行に下がり難くくなって、分解がやり難くなりました。丸印のように実銃のGen5同様、スライドロックのスプリングを板バネからコイルスプリングに変えたのが影響しているようです。

リコイルスプリングユニットは、実銃通りのダブルスプリングになっています。2本のスプリングが干渉しないように間にスリーブが入っているのが特徴です。リコイルスプリングガイド後方の銀色の円形パーツが,HopUp調整ディスクです。

HopUp調整ディスクは外周にラチェットが刻まれて内側に渦状の溝が掘られています。

ディスクの内側の溝にバレルに付いたHopUpレバーが入って、ディスクと連動したリコイルスプリングガイドを回転させることで、Hopレバーの位置が上下に動きます。外側のラチェットは位置決め用のクリックです。

HopUpディスクとバレル基部のHopUpレバーとの位置関係はこのような感じです。。HopUpディスクには常にHopUpレバーのテンションがかかった状態になるので、リコイルスプリングユニットとバレルは軽く固定されることになります。

HopUpディスクにかかるHopUpレバーのテンションが最小になるように、ディスクの切り欠き部分がバレル側を向いた位置でリコイルスプリングユニットをセットすると、組み立てが簡単にできます。

△上:UMAREX(VFC)G19X、下:UMAREX(VFC)G19 Gen3

G19Xはブローバックエンジンを見直しているとのことでしたが、金属製のブリーチブロック自体は新しくなっているものの、目で見た限りではシリンダーのストロークに大きな違いはありませんでした。

唯一、シリンダーのマガジンからのガス流入孔が大きくなっていたので、ガスの流量は増やしているんでしょう。推測ですが、シリンダーのガタを無くして気密性を高めるような改良で、作動性をUPさせていると思われます。

手動でスライドを操作してみると、前作のグロックG19Gen3にみられたような、最初のスライドの引っかかりが無くなり、動きが非常にスムーズになっています。

ブローバック性能の向上のために、作動部分の寸法や形状を見直して、全体の抵抗を軽減していると思われます。

試射後の簡単なコメント

スライドの動きがスムーズなので、ある程度期待はしていましたが想像以上にスムーズに作動しました。前宣伝のように、前作よりも30%も強くなったかは分かりませんが充分強い反動で、VP9を彷彿させます。

グリップが手にフィットするので撃ちやすい上に、スライドが短くなったので振り回しやすくなってます(気分的なものかもしれませんが)。

気になる弾速は室温26℃・0.2gBB弾使用時で、68m/s前後。海外製エアガンとしては低めの設定で、ブローバックの作動性を重視したチューニングが行われているようです。

注入ノズルが海外用なので、ガスの注入量が分かり難いのが難点ですが、それでもほぼ確実にフル装弾22発を速射で撃ちきれるのは魅力です。

試射動画はこちら

最後に(サマリー)

商品名と見た目からは、色を変えただけのグロック19のバリエーションのように思ってましたが、実際に手に取ってみてみるとマガジン以外はほぼ新設計でで作られているようです。

作動性も前作のグロックGen3シリーズから格段に向上しているし、正式ライセンスを受けているだけあって模型としての再現度も高いので、文句の付けようがありません。

トイガンのデキで言えば、国内メーカーと充分肩を並べるレベルですね。それでいて開発力は国産メーカーを凌駕しているんですから、既に太刀打ちできないところまで行ってしまった感があります。

モデルガン&エアガンともに日本発祥の玩具ですから、国内メーカーにはもっと頑張って欲しいですね。

分裂した組合を一つにまとめて、国内競合を止めるとか、共同開発をするとかを真剣に考える時期なのかもしれません。

・UMAREX(VFC)グロックG19X・・・・・・18,900円(税込)

・UMAREX(VFC)グロックG19X マガジン・・ 4,968円(税込)

参考資料

・月刊Gun Professionals 2017年11月号

・月刊Gun Professionals 2018年 5月号

・月刊Gun Professionals 2019年 1月号

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