HWS デリンジャー ナンバー3
レビュー
9月のビクトリーショーで試作品が発表されてから1ヶ月。ハートフォードから10月13日に発売された「デリンジャー ナンバー3」を入手したので紹介します。
実銃の簡単な説明
商品名は「デリンジャー ナンバー3」となっていますが、ベースとなっている「コルト NO3デリンジャー」について簡単に触れてみます。
1870年にナショナルアームズを買収したコルト社は、同社が開発した .41リムファイア・シングルショット・ピストルをコルト ナショナル・デリンジャー NO,1、NO,2として販売します。
その後、口径を.44リムファイアとし、F.A.スーアのデザインによるシングルショット・デリンジャーがコルト・スーア・デリンジャーまたはコルト NO,3と呼ばれるデリンジャーが75年から発売されました。
バレルが水平二ブレークオープンする独特のメカを持つこのリボルバーは1912年の販売終了までに45,000丁以上生産されたと言われています。
後にNO,3デリンジャーと同じメカの22リムファイア・デリンジャーがNO,4デリンジャーとしてリバイバル生産されています。
HWS デリンジャー ナンバー3 について
「デリンジャー ナンバー3」はハートフォードの「レミントン デリンジャー」「ハイスタンダード デリンジャー」に次ぐ3番目のデリンジャーと言う意味のネーミングだそうですが、ハートフォード完全オリジナル設計のデリンジャーは今回が初めて(レミントンは旧CMC、ハイスタンダードは旧ハドソンの金型)。
マニアック300という少数限定カスタムのカテゴリーとして販売されていますが、カテゴリー内の過去のモデルは既存モデルをベースとしたカスタムモデルだったので、若干意図が変わっている感もあります。
「リバレーター」のようなマニアックモデルと別のカテゴリーというのも引っ掛かりますが、「リバレーター」発売当時とはモデルガンの市場が縮小した結果かもしれないですね。
少量生産カスタムと言っても、専用パッケージが作られています。以前よりも小ロット対応が可能になってとはいえ印刷までされているのは本格的です。
ハートフォードの製品は以前からパッケージがきちんとしているので嬉しいですね。
パッケージサイズは同社のデリンジャーと同じサイズのもの。「ナンバー3デリンジャーにとっては大きすぎるのか、内部のダンボールには2丁分の切り込みがあります。ちなみにハートフォード直営店で購入すると予備カート2発がオマケで付属します。
▲ 上:ナンバー3デリンジャー、下:HWS レミントンデリンジャー
サイズ的には同社レミントンデリンジャーよりも2周り程度小さいサイズで、S.A.Aのグリップぐらいの大きさです。このモデルの最大の魅力はこのサイズなのは間違いないでしょう、ミニチュアガン的な楽しさがあります。
ハンマーをハーフコックにするとバレルを水平にブレークオープンできます。その際エジェクターでカートがチャンバーから半分ぐらい飛び出るのがギミック的に楽しい部分です。
バレルとフレームのロックはエジェクターがバレルラッチを兼ねているので、エジェクターのスプリングテンションのみで固定されています。
上部から見るとバレルの付け根に切欠きがあって、カートの装弾の有無が一目で分かるようになっています。セーフティパーツは存在せず、安全に所持する唯一の方法はハンマーのハーフコックだけ
グリップは光沢のあるホワイト仕様ですが、HW素材に塗装をしただけのものです。重量感アップに一役買っていますが、オプションでパールタイプや木製グリップが欲しくなります。
銃口部にはお約束のライフリングが再現されています。小型大口径の銃なのでバレルに肉厚はかなり薄く作られていますが、キチンとインサートは入れられています。
グリップとバレルを外した通常分解をしてみると、ハンマースプリングは板バネを使用しているので、グリップ部の肉厚は強度確保のために厚めに作られていそうです。
全体のパーツ数はグリップや接着パーツを入れても22点程度のシンプルな作りです。
カートは同社「レミントン デリンジャー」と共通の2ピースタイプ。キャップのセットに弾頭部を外す手間がありますが、弾頭部にメッキがかかったリアルな仕上がりです。サイズはCMC時代と同じようですが7mmキャップ仕様に変わっています。
発火について
今回も実際に発火していないので、発火性能についてはよく分かりませんが、ハートフォードの動画を見る限りは銃身が短いだけあってかなり迫力がありそうです。
▼ ハートフォード製作の発火動画はこちら
最後に(サマリー)
熱心なウェスタンファンだけで無くても、ミニュチアガン的に楽しめるのが「デリンジャー ナンバー3」で、サイズの小ささやパーツ数の少なさなどから個人でブルーイングなどを楽しむには最適なモデルガンだと思います。
ハートフォードもその辺りを考慮してブルーイングしやすい素材(2210B)を使用しているそうです。この手のトイガンはアクセサリのようにカスタムをして楽しむものだと思うので、本来は少数限定アイテムでは無いような気がします。
綺麗に仕上げてブルーイングしてペアガンにするのも良いですね。オプションでグリップのバリエや真鍮製のフレームなんかがあれば、長く楽しめそうな一挺です。
思ったよりも数がさばけて再生産されたりキットモデル化されたりすると、今の価格設定は高すぎますね。
ハートフォード ナンバー3 デリンジャー 18,500円(税抜き)
カートリッジ(1発) 340円(税抜き)
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