ウェスタンアームズ ミニ UZI GBB
(発売から8年後の初レビュー)

レビュー

8年前に発売されたウェスタンアームズ(以下WA)製のミニUZIGBBを引っ張り出してきたので、今のGBBと同じ視点でレビューしてみたいと思います。

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実銃についての簡単な説明

1955年頃に開発されたイスラエル製SMG UZIはチェコのVZ23・25を参考に開発されたといわれていますが、イスラエル初の国産SMGとしてだけではなく、バトルプルーフされた戦後SMGとして90カ国以上で使用されているといわれています。

軍用として開発されたUZIを小型化・高発射サイクル化して、対テロ・特殊部隊用として83年頃に開発されたのが、ミニUZIです。実際に軍で採用されたかどうかは不明ですが、オリジナルUZI程の成功を収めていないことは、80年以降のSMGがMP5シリーズ中心だったことを見ても想像できます。

最も日本国内では、80年半ばのエアソフトガン黎明期に、各社からモデルアップされていたので一定以上の認知度はあるようです。

WA製ミニUZI GBBについての簡単な説明

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ミニUZIが発売されたのは2006年の8月頃で、1stロットは予約分で完売智いわれるほど人気だったようでしたが、2ndロット以降はHOPパーツ等の改良を施し販売されていましたが、2009年頃のM4A1が発売された前後には生産中止状態だったように思われます。

WAのフルオートGBBとしてはイングラムM11に次いで2機種目で、より強い反動とGBBの作動性向上が図られているようで、評判的には上々だったように記憶しています。ただし、2006年時点ではミニUZIという機種の選定が中途半端に古く,今更感が強かったことが,短命に終わった一因では無いかと思われます。

WA製ミニUZI GBBを見ていきます

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パッケージは実銃用パッケージを使った画期的なモノ。生産数の少なくなった昨今は実銃用グリップを標準装備するトイガン等はありますが、当時としては新鮮でした。販売時にはこの周りに紙製の帯がありましたが、残念ながら残っていません。

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パッケージ内部はミニUZI本体とマガジン。サイト調整金具とBB弾ローダー(紛失していますが)、取説、パーツ表が入っています。取説とパーツ表が入っている透明プラの蓋がついたスペースが、実銃用らしさが漂う感じで好きですね。

WA製ミニUZIはABS製レシーバー(上下とも)とレシーバーカバーとストック他が金属製となっています。マガジンは実銃用25連マガジンを模した、亜鉛ダイキャスト製の気化効率の高いものとなっています。

重量のあるマガジンを中心にあるグリップ内に取り付けるため、ABS製でも重量バランスは良く、サイズと相まってかなり振り回しやすいものになっています。

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(↑ 上:WA製 ミニUZI 下:マルシン製 UZI モデルガン)

マルシンのオリジナルUZIと比較するとサイズ的には11cm短縮されています。オリジナルUZIの全長が47cmなので75%縮小されたモデルがミニUZIということになります、思っている以上にオリジナルUZIが大きく感じます。ちなみにWAもマルシンのUZIもサイズ的には実銃に準じているようです。

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フォアグリップは全長の短縮に合わせて、オリジナルUZIのフォアグリップの前半部を切り取ったような形状となっています。フロントサイトガードやバレルナットはオリジナルUZIのものを流用しています。

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同じくグリップとグリップフレーム等もオリジナルUZIの流用で作られているため、セレクターの操作やマガジンの着脱は同じ操作感で行えるようになっています。マルシンのUZIモデルガンに比べると遙かに握りやすいグリップだったのが、このモデルを入手した時の最大の驚きです。

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(画像上:マルシンUZIグリップ。下:WA ミニUZIグリップ)

検証のため両者のグリップを比べて見てみると、画像では分かり難いですが、マルシンのものよりWAの方がグリップ上部が薄くなっています。さらにグリップセフティの出っ張りも微妙に少なく、スプリングのテンションも弱めになっています。

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(↑上:マルシンUZI、下:WA ミニUZI)

さらにグリップの親指と人差し指の間に来る部分の抉り面(赤の点線部分)がマルシンは狭く、WAは広くなっています。結果としてWAのミニUZIのグリップ上部はかなり細くなっており指が回しやすく、握りやすさが向上していると思われます。

マルシンのUZIでUZIのグリップは握りにくいと思っていましたが、恐らく実銃もWAのような形状になっているので、グリップに関しての悪い評価が見られないのだと思います。

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フロントサイトとリアサイトは、共にオリジナルUZIに準じたものになっています。フロントサイトで上下の調整、リアサイトで左右の調整ができるようになっているのも実銃どおり。フロントサイトの調整は付属の専用ツールを使って行います、M16系と同じですね。

若干リアサイトのL字ピープサイトの固定が甘い気がしますが、反動で動くわけでもないのでスルー。半円形の前後のサイトガードがUZIらしさのひとつになっています。

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HOPの調整はバレルナットを緩めることで行います。左に回すとHOPが強くなり、右に回すと弱くなる構造になっています。1stロットは鬼HOPになり易かったため2ndロットからHOPパーツが改良されましたが、逆にHOPがかかりにくくなったようです。

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バレルには高発射サイクルの反動に対処するためのスリットが切られています。実銃ならこのスリットから発射ガスを逃がし、銃口を左下に押し下げる効果があるはずですが、トイガンでは単なるバレルのアクセントですが、ミニUZIらしいところです。

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コッキングハンドルはオリジナルUZIと同じモノが使用されています。スチール製のコッキングハンドルカバーには「改造は違法だとか、操作の前に取説を読め」とかの注意書きが刻印されています。ここだけ見るとコマーシャル向けなんですけど、フルオートSMGは軍や政府機関向けだと思うんですが、必要なんですかね?

実銃やマルシンのUZI(モデルガン)にあるボルトセフティ(落下時やボルトハンドルから手が滑って、ボルトがシアにかかる前に前進・暴発するのを防ぐ)は省略されています。ちょっと残念な気もしますが、エアガンの実用上無くても問題ないのでこれもスルー。

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ミニUZIオリジナルデザインなのがこの折り畳みストック。ヒンジ部分の設計が絶妙なので力を入れるだけで、ワンタッチでストックの展開・折りたたみができます。未だにガタが出ていないのはさすがです。

ストックも華奢に見ますが、強度UP用の溝があったり、バットプレートの取り付け強度もかなりありそうです。イングラムなどに見られる簡易ストック的なものでは無くしっかりと肩付けできます。

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フレーム左後部の刻印を見ると「MU−CB」とあるので「mini—UZI Closed Bolt」の略だと思われるので、WAが当初はクローズドボルトタイプを計画していた可能性がありますね。もっともクローズドボルトのSMGをモデルアップするなら他にメジャーな機種がありそうな気もしますが真相は?

簡単に分解をしてみます。

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リアサイト前のラッチを押し込んでフレームカバーを外し、ボルトを抜き出すことで通常分解は完了。AKシリーズと同じように、メンテは簡単です。GBBの場合ジャムったBB弾がフレーム内に入り込むことがあるので、通常分解が簡単なのは助かります。

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さらにバレルナットを外すとバレルやHOPアップ用のテンショナーまで外すことができます。実際ここまでの分解はそれ程必要ではありませんが、WAのHOP機構は色々あるので,直ぐにアクセスできる方が便利です。

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ボルトの重さは157gと長ものGBBとしては平均的ですが、このサイズのボルトとしては軽く作られています。実際に撃つと、ボルト重量からは想像できない反動があるのが不思議です。この辺りはGBBの設計や調整の妙なんでしょうかね。

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ミニUZIのマガジンはフォロアーを上から押さえて、フォロアーボタンを下から押し上げることで、通常モードから空撃ちモードに切り替えが可能。

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(ミニUZIマガジン 左:空撃ちモード、右:通常モード)

空撃ちモードでは文字通りBB弾が無くてもGBBの作動を楽しめますが、BB弾を入れた場合はボルトストップがかかりません。

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通常モードはマガジンフォロアーにノズルをぶつけて,ボルトストップをさせる形式なので、ボルトストップ時は上の画像のようにボルトが半開きでストップします。フルのGBBには弾切れを知らせる上で必要な機能ですが、ノズルとマガジンフォロアーにダメージが残る仕組みです。既にパーツ在庫のなくなっているノズル周りの破損が今後心配。

実射性能について

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室温22℃で計ったところ、初速は89m/秒とやや高め。夏場が少し心配ですが規制直前の商品化なので、恐らく大丈夫なのでしょう。珍しく計れた発射サイクルは毎分1100発(毎分18発)と高すぎる感じがしますので、参考程度に。

ロングレンジでの試射をしていないので、HOPの調整とかはしていませんが、7m程度ではストレートな弾道で、セミの集弾性はかなり良さそうです。本来の使い方であるフルオート中心で撃つと、反動でかなり弾着が広がりますので、点射で撃つか近距離での面制圧という使い方なんでしょうね。

反動自体はオープンボルトということもあり、ボルト重量以上に大きな反動を感じます。今回300発以上撃ちましたが、ジャムが1回だけあったぐらいの良好な作動性でした。

WA ミニUZIの実射動画はこちら

 

最後に(サマリー)

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ABS製のグリップ周りやフレームの表面仕上げに、若干のチープ感を感じますが撃って楽しめるGBBなのは間違いないですね。生産中止になっているのが残念ですが、機種的に中途半端なので再生産しても売れるかどうか。海外製のメタルフレームもありましたので質感が気になるようなら、交換するのも有りでしょう。

オリジナルUZIぐらいに古くなっていれば、また別のニーズがあると思うので本当に残念なモデルです。最新のGBBと互角以上に競えるポテンシャルを持ったトイガンだと思うので、広く知って欲しいトイガンですね。

参考資料
・コンバットマガジン 2006年11月号
・月刊GUN誌 1983年12月号
・月刊GUN誌 2007年6月号
・GUN Professional 2014年2月号