KJワークス CZ P-09 DUTY JP. ver
(国内正規輸入品) レビュー
〈2017.06.17. バリエ追加・加筆 〉

レビュー

KJワークスについて

KJワークスから発売された「CZ P−09 DUTY」はCZ(チェスカ−・ズブロヨフカ)社の最新モデル「P−09 DUTY」を正式ライセンスの元にモデルアップした意欲作です。

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KJワークス社は台湾のトイガンメーカーで、以前から国内メーカーのコピー品を手掛けていましたが、タニオ・コバ社のM4A1の生産をし始めた頃からレベルが上がってきたようで、正式ライセンス取得モデルはこの「P−09 DUTY」が初。ちなみに同社の10/22 ホークアイはタニオ・コバ社のコピーではなく、タニオ・コバ社がKJワークス社に金型を売却したもののようです。

この「P−09 DUTY」モデルは海外では、高圧ガス仕様とCO2仕様の2種が販売されているようで、それぞれ金属スライドモデルとなっています。今回入手のJP,verはスライドを樹脂製に変更し、各種SP類もフロン134a用に調整された日本専用仕様となっています。

実銃についての簡単な説明

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2009年に発表された「CZP−07 DUTY」は従来型のCZ75とは異なる新型ポリマーフレームピストルで、レイル付ポリマーフレームとエジェクションポートを利用したロックシステムや新型トリガーメカの「オメガシステム」を搭載したセミコンパクトモデルで高い評価を得ていましたが、それをフルサイズモデルとしたのが「P−09 DUTY」です。

2013年に発表されてアメリカ以外で一般販売されたのが、2014年度からという最新モデルです。9mm×装弾数19発と40S&W×装弾数15発の2つモデルが販売されています。

KJ−ワークス CZ P−09 DUTY JP,verについて

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パッケージはJP,verオリジナルの日本語版仕様。国内正規輸入品ということで、並行輸入品と区別するための意味もあるんでしょうね。

本体と付属BB弾の他に冬季用のハンマーSPが同梱されています。本体には日本向けに低圧ガス仕様としたハンマーSPがついているのにも関わらず、更に弱いSPを付属させている点は作動に難が多い従来の海外製トイガンと異なる配慮。

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海外製トイガンなのに、付属する取説が日本語表記になっているのもJP,verならでは。しかも2週間ながら初期不良対応の保証書が付属します。海外製トイガンに対する不安感を払拭させるのには良い手法ですね。

輸入代理店の戦略なのか、KJワークスの意向なのかは不明ですが、先に述べた冬季用SPを付属させた事と合わせて、日本市場でシェアを拡大するには、この手の細かい配慮を形で示す事は日本では有効かもしれません。

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(左:KJワークス製 CZ P−09、右:KSC製 CZ75)

CZ75というレガシーモデルを持つだけに、全体のシルエットやレバー類の配置等似ているところ(操作感の統一という意味もあるんでしょうが)が多いですね。特に細身のグリップの形状と角度、スライドを包むフレームの形状にCZらしさを感じます。

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スライドはエジェクションポートをロック機構にする関係で角形になっていますが、前部に関しては軽量化とデザイン上の差別化のために大きく斜めにカットしています。カットされた部分にセレーションが入れられているのが今風ですが、操作性は多少改善されています。

フレーム前部の刻印は「DESIGNED IN CZECH REPUBLIC」となっていますが、実銃では当然「MADE IN CZECH REPUBLIC」となっています。雰囲気を壊さない上に、エアガンとして正しい表現になっているので妙に感心した部分です。

トリガー上部にある滑り止めのテクスチャーはサポートハンドの親指用と言われています。試しにそのように握ってみると,結構しっくりくるので気に入っている部分です。

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スライド後部にはライセンスの証CZロゴが入っています。フレームにはCZ75とほぼ同じ配置のスライドストップレバーがあります。平べったい形状でやや遠い位置にありますが、何とか親指で操作できます(実銃の強いSPテンションがかかっていたら操作できるかは疑問)。

セフティレバーはアンビタイプで、コック&ロックができるタイプ。実銃のオメガシステムではデコッキングレバーが通常装備でセフティはオプションのようです。エアガンではデコッキングレバーの方が使い安い(ハンマーダウンするときにMgを抜く必要が無い)と思いますが、物理的セフティがあった方がトイガン的には良いと判断したのでしょう。

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バックストラップは交換式になっていますが、サイズ違いのパーツは同梱されていません。それ程必要ないので無くても問題ありませんが、国産トイガンだったら価格が高くなっても付属させるところですね。

バックストラップ交換と同じ手順でフレーム下部のピンを抜けばハンマーSPを交換できるのは便利で良い部分(交換用SPまで付属しているので)です。

実銃ではマガジンキャッチは左右交換できるようですが、内部のマガジンSPが片側にしかテンションがかからないようになっているので、エアガンではアンビにはならないようです。

最もマガジンのマガジンキャッチ用の溝が左にしかないので、最初からアンビでのモデルアップは考えてないようですね。

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(画像上:JP,ver [国内正規輸入品] 画像下:並行輸入品)

フレーム・スライド右側は、JP,verが無刻印なのに対して並行輸入品は「CZ USA KANSAS CITY G000114」の刻印と、スライド&バレルには「B160095」のシリアルが入っています。

スライド国内仕様向けに樹脂で作り直しているので無くても理解できますが、共通パーツのバレルとフレームが無刻印なのはなんで? 実銃を製作したCZ USAの刻印は製造物責任(PL法)の問題があるので省いたとも考えられますけど、どうなんでしょう。

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フロントサイトとリアサイトは,どちらも金属製の別パーツで、六角穴ネジで固定されています。どちらもホワイトドットが入っていて、サイティングするときにドットのサイズが揃うように細かく配慮されています。

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外見で唯一残念なのがファイアリングピン部分にある六角ネジの頭。機能には関係ない部分ですが常に目に入るところなので、上手く処理して欲しかったところですね。同じくハンマーの仕上げが他の金属パーツと異なっているのも気になるところです

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フレームグリップ部のトリガーガード付け根は抉られてハイグリップ化対応されています。またフロントストラップの滑り止めテクスチャーは、シンプルながらかなり効果があるようです。フレームのダストカバー部にはお馴染みのレイルが付いています。

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このレイルは形状はピカニティーレイルを模していますが、幅が狭いようで手持ちの実銃用ライトは殆ど左右にガタが出ます。唯一SUREFIREのX300が前後サイズがぴったりだったので、トリガーガードとレイル溝に上手く挟まれる形で固定できました。

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(画像上:KJワークス製 CZ P−09、画像下:KSC製 CZ75)

分解はCZ 75と同様に、スライド&フレームの後端にあるラインを合わせ、スライドストップレバーを抜いて行います。実際にやってみると、操作感の統一・継承というのが大事なのが理解できますね。

次に内部を簡単に見てみます

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スライドアッセンブリーを前方に抜き出してから、リコイルガイドを外してバレルを取り出せば、通常分解は完了。実銃と同じで非常に簡単です。リコイルSPとリコイルガイドがユニットになっていないのと、SPが平らでは無いところが実銃と異なるところ。

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ブリーチ部分を見ると、GBBメカはマルイをベースとした負圧式と思われます。海外製トイガンらしくグリースがべったりしているので,一度ここまで分解して余分なグリースを拭き取る事をお奨めします。

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外からは隠れて見えないスライドストップノッチには金属ピンによる削れ防止策が施されています。海外verは金属スライドなので、日本向け専用の設計でしょうけど、国産トイガンでも新しいモデルにしか見られない対策が施されているのには驚きました。

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バレルはアウターバレルとインナーバレルで構成されていて、銀色のピンで組み合わされているだけの単純構造。その固定用ピンを使ってアウターバレルのショートリコイルを再現させています。

HOP調整もチャンバー下部のネジで調整するシンプルなもので、外部に見えない部分は基本機能を抑えながら極めてシンプルに作られているようです。

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(上:KJワークス製 CZ P−09、下:KSC製 CZ75)

ダストカバー部分の長さを除くとフレーム内部はCZ75とほぼ同じです。ハンマー&シア周りが実銃同様に簡易化(オメガシステム)されているようです。

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マガジンは給弾スリットが途中から広くなるマルイタイプに準じているので、装弾はマガジンフォロアーを指で下げてスリットから流し込む簡単タイプ。海外製GBBの弱点の一つ、マガジンのシーリング材の耐久不足によるガス漏れを克服できているかが、今後のチェックポイントです。

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KSC製「CZ75」のフレームにKJワークスの「P−O9 DUTY」のスライドがピッタリ組み込めます。両モデルとも実銃に極めて近い精度で作られているのを感じたのと、P−09のスライドサイズが見た目より大きくない(CZ75と同じ幅)のに気がつきました。 この組み合わせで撃てるとか,特別な意味はありません。

実射についての簡単なコメント

軽量の樹脂スライドと弱めに調整されたSP類の効果で、ブローバックの作動は国産GBB並に良く作動します。唯一問題なのがマガジンバルブで、ガスが入り難いので適度に入ったかの見極めが難しく、スライドオープンできないときは大抵ガスの注入ミスです。

国産用の注入バルブに交換すれば良い事ですけど、他の部分で海外トイガンらしくない細かい配慮があっただけに最初から変更して欲しかった部分ですね。

HOPがかけられる遠距離での実射はしていませんが、弾道を見る限り素直でフラットな感じなので、命中精度も期待できそうな感じがしました。

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海外製品で気になる初速は、ほぼ75m/s前後でGBBとしてはやや強めですが、国内基準を余裕を持ってクリアしているので、気温が今より上がっても基準内に収まりますね。

KJワークス CZ P−09 DUTY実射動画はこちら

CZ P09ー DUTY TANモデル
〈2016.06.17 加筆〉

ブラックモデルに引き続き、流行のTANフレームモデルがバリエーションに加わりました。

フレームパーツの成形色をTANカラーに変更しただけのモデルですが、スライドとのコントラストが付いた分全体に締まって見えるようになりました。

生産ロットが異なりますが、目視した限り内部メカに変更は無さそうです。スライド&フレームも同じもの(成形色は違いますが)を使っているようで、刻印等に違はありません。


▲ 上:ブラックモデルのマガジン、下:TANカラーモデルのマガジン

唯一の違いがマガジンの仕上げで、ブラックモデルがツヤ有りだったのに対し、TANモデルのマガジンはマットタイプになっています。これはTANモデルになって変わったというよりも、生産ロットが後のモデルで変わったものと思われます。

最後に(サマリー)

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今まで海外製GBBのかなりの機種が並行輸入や正規輸入品として入ってきましたが、殆どがマルイのコピー品で仕上げも悪く、メタルスライドのみが魅力だったり、マルイと互換性があって安価に購入できる程度のものでした。

最近になると海外メーカーの開発速度が早まり、国内メーカーがモデルアップしていない機種が次々に製作されるようになり、製品レベルも国産並みに高くなって来ているので、既に安価だけが魅力のトイガンでは無くなってきています。

さらに、今回紹介したKJワークスの「CZ P—09 DUTY」は、それ以外にも日本仕様として低圧ガスでの作動性の向上や、輸入販売元のサポートを付ける事で信頼性を高めるなどの工夫がなされているので、ある意味脅威ですね。

正直、国産ガスガンに準じる作りと作動性能で、実売価格も安価な「CZ P−09 DUTY」は間違いなく買いのモデルです(機種の好き嫌いはあると思いますが)。できれば国内メーカーに作って欲しかったモデルです。

参考資料
月刊GUN誌 201年9月号
GUN Professionals 2013年12月号