東京マルイ USP コンパクト レビュー

レビュー

2015年4月に発売されたばかりの「東京マルイ USP コンパクト GBB」を紹介します。

実銃(H&K USP コンパクト)の簡単な説明

DSC00557−WM

独自のアプローチでハンドガンを製作していたH&KがUSP(ユニバーサル・セルフ・ローディング・ピストル)を発表したのは1993年。

一転してオーソドックスなブローニングタイプのロック機構とハンマー式ダブルアクションを採用したポリマーフレームオートは、H&Kのハンドガンとしては最も成功を収めたものとなり、95年にはP8としてドイツ軍にも正式採用されています。

バリエーションも多く、トリガーメカニズムの組み合わせだけで10種類のヴァリアントがあり、口径も9mm×19、45ACP、40S&W、357SIGが作られています。

DSC00564−WM

元々オリジナルUSPは40S&Wをベースに開発されたこともあって9mmオートとしては大型で、これを全長で2cm、全高で9mm小型化したものが97年に開発されたUSP コンパクトです。

USP45と同様スチール製マガジンを採用したことでグリップを細く再設計したことでハンドリングが向上し、一部のドイツ警察にもP10として施式採用されています。

東京マルイ製 USP コンパクトGBBについて

USPコンパクトのトイガンは、GBBだけでもタナカとKSCから既に発売されていて(タナカ製は製造中止状態ですが)、東京マルイ製は最後発ということになります。

最初に外見から見ていきます

DSC00547−WM

パッケージ的には、トイガン本体をメインにデザインした最近のマルイテイストのもの、プラモデルのボックスアートぽさを感じます。USPのマークが人気ドラマ「24」のロゴっぽくなっているのも、イメージ的にはありですね。

DSC00553_2−WM

パッケージ内は、発泡スチロールの緩衝材も目立たないように綺麗にレイアウトされています。内部で動かないようにする緩衝材を蓋の裏側に付けているからできるマルイ独自のデザインですね。

DSC00573−WM

スライドにはHKロゴと「USP COMPACT 9mm×19」の刻印と、ドイツ製ピストルにはお馴染みのニトロプルーフマークとウルム検査場の合格マーク、シリアル「27-183823」が入っています。

DSC00584−WM

バレルチャンバー部分にもH&Kロゴと口径、シリアルNOが入っています。フレームの「Heckler & Koch GmbH」と入る部分が「Tokyo Marui Co..ltd.」になっているのが目立ちますが、輸出とかを考えるとメーカー的には必要なんでしょうね。

DSC00592_2−WM

フレーム下部の金属プレートにもシリアルNOが入っています。アメリカの場合はフレームのみにシリアルNOが入っていれば良いようですが、ドイツの場合はフレーム、バレル、スライドの3箇所に入れる事が義務づけられているのだそうです。

トイガン的には刻印とかが多い方が、見た目的には嬉しいですね。

DSC00576−WM

コントロールレバー(セフティレバー)はコック&ロックとデコッキング機能を持ったヴァリアント1を再現しています。

セフティをオフしたときにクリックが無いので、デコッキング側に入ってしまうのが気になりますが、ハンマーをデコックするところまでは動かないので、気分的にはともかく機能的には問題無いでしょう。

DSC00579−WM

グリップのマークはHKマークが無い「USP」文字だけのもので、見慣れないだけに違和感があります。実銃でも「USP」マークだけのグリップはあるようですが、数を見ないので新しいタイプなのかもしれません。

グリップを握った印象はKSC製よりも若干丸みがあるように感じますが、太さや握り心地は大差ないようです。

DSC00595_2−WM

アウターバレルにはH&Kお得意のポリゴナルライフリングが再現されていますが、インナーバレルがマズルギリギリまで出ているので、余り目立ちませんね。

リコイルスプリングロッドは樹脂製の新型?を再現しているようです。

DSC00611_2−WM

ハンマーをコックするとブリーチ後端には、ファイアリングピン状のモールドが再現されています。実射に関係ない部分ですが、撃つ度に目が行く部分なのでモールドでもあると嬉しいですね。

DSC00725−WM

USPシリーズは最初にダストカバー部にレイルを装備したハンドガンでしたが、レイルの規格はH&K独自のもので汎用性も無く、実銃でも現在まで改良されていません。

マルイはオプションパーツとして汎用性のあるピカティニー仕様のアダプターを付属させました。

DSC00659−WM

アダプターは取付はねじで挟み込むだけの簡単なものですが、固定はしっかりしています。レイルにはシュアファイアのタクティカルライトをガタ無く取り付けられますが、レイル長が短いので、ライトがマズルより先にかなり出っ張ることになります。

このサイズのハンドガンは使用目的を考えるとコンシールド性優先で、レイルはあった方が良い程度のものなんでしょうね。実銃で改良されななかった理由もマストでは無かったからでしょう。

DSC00653−WM

レイルアダプターのデキが良いので、試しにKSC製のUSPコンパクト(画像はP10SD)に取り付けてみましたが、取付自体は可能ですが、若干下向きになるようなので多少の加工が必要そうです。

DSC00702 - バージョン 2−WM

マガジンは従来通りレイル下部が広くなっていて、簡単にBB弾を流し込めるタイプですが、マガジンフォロアーが凸型に改良されてBB弾を複列に並ばせ易くなっています。使い勝手に影響するところなので、小さな改良ですが大事な部分ですね。

DSC00639−WM

マガジンにはワンタッチで交換可能マガジンバンパーはフィンガーレスト付きの大型のものと、コンパクトタイプのものが付属しています。この辺りはKSCが既に製品化しているで、手は抜けないですね。

DSC00695−WM

気になる点はガスバルブが中央についているため、フィンガーレスト付きマガジンバンパーだと、ガス注入時にガスボンベのノズル先端が目視できないこと。

ノズルとバルブがキチンと合っているか分からない状態でガス注入するのは、気分的に良くないですね。

次は簡単に内部を見てみます

DSC00731−WM

スライドを少し引いて、切り欠きにあわせてスライドリリースレバーを抜き取れば、フレームからスライド&バレルを分解できます。

DSC00622−WM

スライドリリースレバーの軸には、脱落防止用にトリガースプリングと咬み合う溝があるので、抜き出すときには多少力が要るようになっています。

DSC00704−WM

内部メカは前作のHK45に準じたマルイオリジナルのメカで、コントロールレバー周りはUSPシリーズで見慣れたディテントプレートがありません。モデルガン的嗜好から言えば残念な部分です。

他にもオリジナルメカとしてはスライドノッチの破損防止策として、オリジナルのスライドストップが内部に組み込まれています。前作のHK45と同様スライド内部のパーツでスライドのホールドオープンを行うようになっています。

DSC00612−WM

マガジンフォロアーが最上部まで上がると、内部スライドストップレバーも上に上がって、スライド内部の金属ノッチに咬み合いホールドオープンするようになっています。

DSC00722 - バージョン 2−WM

スライドオープン時にスライドリリースレバーは実際にはスライドのノッチに咬み合っていません。スライドのリリースは行えるので、この状態でレバーを下げてもスライドノッチ欠けの心配はありません。トイガン的に良く考えられたメカですね。

DSC00634−WM

バレルにHOPUP用のダイアルが付いているのは、最近のマルイ製品では共通なので分かりやすいですね。さらにUSPシリーズはエジェクションポートが広いので、ホールドオープン状態のエジェクションポートから指で調整できる点が便利です。

また、リコイルスプリングがモジュールになっていて分解しやすいのは最近のハンドガンの特徴ですが、実銃と異なりプラスチックバッファーではなく2重のリコイルスプリングにしたのはどうしてなんしょう?

DSC00717_2−WM

シリンダー直径が15mmというのが謳い文句でしたが、シリンダー長は思ったよりも短め(約24mm)。同じシリンダー径のM&Pでも約30mmだったので、ちょっと気になりました。

実射についての簡単なコメント

シリンダー長の短さが心配でしたが実射してみると、イベント会場で試射したときと同じ強い反動で、ブローバックの作動自体に気になるところはありませんでした。シングル&ダブルのトリガーもスムーズで、M&Pのようなスライドの引っかかりによる閉鎖不良もありませんでした。

久しぶりに撃って気づきましたが、USPシリーズの上部がフラットなスライドは、銃の傾きが分かるので思っている以上に狙いやすいです。

例によって近距離だけの実射なので集弾性については、よく分かりませんが弾道自体はフラットで狙ったところに飛ぶ感じなので、マルイの従来製品と変わらないと思われます。

DSC00683−WM

室温23℃でマルイ2.0g BB弾を使用して初速は63m/s前後と最近のマルイ製品よりも気持ち低い感じです。ブローバック側によりガスを使うようにセッティングしている感じです。

競合のKSC製USPコンパクトの初速が同条件で80m/sと高めで、ブローバックの反動も同じように強い仕上がりになっています。数字だけ見るとマルイの初速は物足りなく感じますが、実用上の違いは無いと思います。

最期に(サマリー)

DSC00641−WM

正直、今更感の強いUSPコンパクトのモデルアップに、当初は触手が動きませんでしたが、ブローバックの反動とコストパフォーマンスに惹かれた次第です。

個人的にはUSPシリーズは好きですが、新しくH&Kのハンドガンを作るならP30かP2000をモデルアップしてくれた方が遙かに嬉しいですね。知名度の点でUSPコンパクトに落ち着いたのでしょうが、国内トップメーカーとしての選択としては安全策過ぎる気がします。

結果として、競合のKSC製USPコンパクトの供給が不定期なので、コスパと併せて優位になるのは確かでしょう。次回作のUSPも競合のタナカ製がほぼ生産中止状態なので、同じように競争力はあると思いますが、国内メーカーとしてのプライドみたいなのが感じられないのは残念ですね。

他の国内メーカーが停滞している状況だからこそ、東京マルイには頑張って欲しいものです。

参考資料

月刊GUN誌 1994年 2月号
月刊GUN誌 1995年 4月号
月刊GUN誌 2000年 6月号
GUN Magazine 2014年 2月号
KSC USPシリーズ取扱説明書