KSC トカレフ TT33 GBB レビュー

レビュー

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トカレフを最初に知ったのは中田(TRC)のカタログでした。だから規制前の黒いイメージしかありません。その後52年規制で銃身分離タイプが生産中止になった後、ハドソンがABSモデルを出したのが15年後の92年。後にガスガン化されましたが、作動に難があると聞いていたのでスルーしていたら、今度はハドソンが廃業に。

そして2013年にKSCからガスガンが発売されることになり、2009年のハドソンの廃業以来4年ぶりの復活ということになりました。競作でもないトイガンが、異なる複数のメーカーによって作り続けられるってことは、トカレフには独特の魅力があるんでしょうね。

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海外ではKWCブランドで既に1年前から発売されているものと、今回のKSC製はスライド&フレームの素材とガスの仕様以外は基本同じものと思われます。

KWCはKSCのOEM先だったはずですが,最近は独自製品も作っているようなので今回のトカレフが、KWCかKSCのどちらの設計のものかは不明。自分的には作りの細かさからKSCの設計だと思ってますけど。

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↑ 写真左=KSC製、右=ハドソン製

トカレフがガスブローバックガンとして余裕のないサイズと散々言われていたので、一応ハドソンのトカレフと比べてみました。ブローバックメカの入るスライドは、左右幅は同じ22mm、上下幅は1mm弱KSCのほうが大きい事が分かりました。

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↑ 写真左=KSC製、右=ハドソン製

これは測定誤差を含めて両社のトカレフのスライドに寸法上の差がないに等しく、KSCが作動向上のためにデフォルメ等をしていないということになります(あくまでハドソン製も実銃に忠実に設計していることが前提ですが)。

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↑ 写真左=ハドソン製、右=KSC製

マガジンは前後幅がKSCの方が1mm弱大きいので、ハドソンのフレームにはKSCのマガジンは入りません。逆はなんとかなりますがノッカーが邪魔をしてマガジンキャチまではかかりません。共有できる必要はありませんが念のためですw

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↑ 写真左=ハドソン製、右=KSC製

グリップサイズは両社ともほぼ同じ。裏面のウエイトを兼ねた凸部のサイズが異なるのでこれもそのまま流用はできません。万が一の時はハドソンのスペアパーツに使える可能性アリといったところです。

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写真上=ハドソン製、下=KSC製

フロントサイトはハドソンのものが太めで短いのに対し、KSCのは細長のバートリッジタイプでかなり華奢。実銃にどちらが近いかはわかりませんが、近距離で狙いやすいのはKSCのサイト。ガスガンなのでアレンジがあった可能性もありますが、弾が出るトイガンにとって重要なポイントです。

ただしフロントサイトは金属製の別パーツではなく、HWスライドと一体成形になっているので強度が心配です。しかも破損した際はスライド交換するしかないので、取扱には気をつけないと。

全体的には非常によく似た両社のトカレフですが、微妙にサイズや形状が異なっているので廃業したハドソンの金型を、KSCが買い取ってガスガン化したということはなさそうです。そうすると、ハドソンのトカレフの金型はどこに行ったんでしょうね。

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元々刻印関係の少ない銃ですが、左側フレームにはシリアルと製造年が入っています。 このシリアルはパッケージのシリアルと同じなので、ナンバリングされた個体ナンバーのようです。

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スライド上面にもシリアルナンバーと製造年が刻印されていますが、シリアルはフレームのものと異なり、同一の共通ナンバーのようです。余り目立たないところですが、チョット違和感がありますね。

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フレーム右側トリガー周りにも検印らしい刻印が入っています。刻印はこれで全て、西側のモノに比べるとアッサリし過ぎてますが、セフティすら省略するお国柄ですから必要最低限入っていれば良いのでしょう。

ハドソンのモデルガン以来シルバーのイメージが強いスライドストップリテイナークリップも普通に黒くなっているので、やっと落ち着くことが出来ました。

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先程の画像にある、フレーム右のスライドストップリテイナークリップを外してスライドストップを抜けば、工具なしでここまで分解できます。ある意味ガバのコピーなので、分解もガバに準じています。

分解手順も内部パーツも実銃ぽくって良いですね。このあたりはモデルガンメーカーぽさを感じます(設計がKSCっぽいと思うのはこういうところ)。

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少し見づらいですが、スライドストップノッチは補強プレートが入っていません。STIで改良されたと思ったら、それ以降のHK45にもCZ75(1st)も従来どおりの作り。

海外で金属スライドにしているモデルは対応しないってことなんですかね。レースガンではないから? 製造主体がKWAだから? 改良の方向性に疑問を感じます。

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ハンマーが半分スライド内に隠れるため、ブリーチ部分の長さは想像以上に短いです。良くこのスペースにブローバックエンジンを納めたと感心する部分です。

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グリップ内側のレバーを動かしてフレームからグリップを外すのは実銃どおり。原型はブローニングM1900ですが、トカレフの特徴的な部分なので意味なく外したくなります。不思議なことにレバー類がグリップウエイトとユニット化されているので、破損時はパーツが割高になります。最もそんなに破損する場所ではないですね。

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実射性能は、細いマガジンと狭いスライドスペースの割には作動は快調。最も1マガジン10発の装弾数なので、今の技術なら当たり前なんでしょうね。初速とか計ってみたら、少し大人しめ。でも弾道はフラットなので命中精度も高そうだし、気にするほど弱くは無いと思います。

箱出しで気軽にBLKできるトカレフは、KSCのモデルが初めて。その意味で価値があるモデルです。特に旧共産圏のモデルは、西側と異なる設計思想で作られているので新鮮みがあります。ポリマーフレームのトイガンに飽きたらお奨めです。

KSCトカレフの実射映像はこちら↓