(旧)和室工房 Life Card .22LR レビュー

レビュー

Life Card .22LRは同人エアソフトガン製作者(旧)和室工房さんが発売した単発式ガスガンです。3Dプリンター製の本体と、「ジャッカルの日」ライフルのカートリッジを使用した意欲的な製品です。実銃の世界でもマイナーなモデルを、試射を含めて見ていきたいと思います。

実銃についての簡単な説明

「life Card .22LR」はアメリカのノースカロライナ州に本拠を置く「TRAILBLAZER FIREARMS(トレイルブレーザー ファイアーアームズ)」社が2017年に発売した、カードサイズの折りたたみ式シングルショットピストルです。

そのサイズは折りたたんだ状態で3.375×2.125インチ(約85.7×5.40mm)、厚さ0.5インチ(12.7mm)重さは7オンス(約198g)というコンパクトさです。

口径は22LRがベースで販売価格は399ドル。オプションで22WMRのバレルキットも販売されているようです。HP上のコピーでは最後の切り札的な表現がなされていますが、実用モデルというよりも趣味性の強いモデルと思われます。

ちなみにルガーの「LCP380」のレーザーサイト付きモデルが正価で349ドルなので、純粋に護身用として考えれば割高過ぎますね。

実銃の「Life Card.22LR」の操作方法動画(TRAILBLAZER FIREARMS HPから転載)

(旧)和室工房 Life Card.22RLについて

(旧)和室工房さんの最新モデル(11月13日時点)。具体的な販売開始時期は不明ですが、今年前半にはイベントなどを中心に五月雨式に製作販売されていたようです。

専門誌でもしっかり取り上げていないモデルを、実銃の販売から間もない期間でよくもモデルアップできるものだと感心します。資料なんかどうしているんだろ。

パッケージは100mm×65mmのコンパクトサイズ。商品名入りのロゴシールとほぼ同じ大きさのセンスの良いパッケージ。その小ささにワクっとします。

パッケージ内には本体(実際にはビニール袋入り)と「取説はwebをご覧ください云々」のメッセージカードが入っています。

このサイズだと取説を入れるのは難しいでしょうけど思い切りましたね。後から取説&制作記のような冊子が別売されるようなので、併せて手に入れたいですね。

※ web上の取り扱い動画については、後ろの方にリンクを張らしていただいています。

本体のメイン素材は樹脂製。実銃と違って表面がざらついているのは3Dプリンターで作られている為だと思われます。金型で作るわけにもいかないし、サイズも小さいので削り出しで作るのも難しそうなので、妥当な製作方法なのでしょう。

作動方式は蓄圧カートリッジ式。6mmBB弾を使用することもあって、サイズは22LRよりもかなり大きく38SPクラスですね。それでもBB弾発射メカがこのサイズに収まっているので、カードサイズのガスガンが製作できたのでしょう。このモデルの肝ですね。

コンパクト性が売りのモデルなのでサイズを計ってみました。折りたたんだ状態の実測値で約86mm×54mm。実銃のカタログ値とほぼ同じです。

厚みは13.1mmと実銃の12.7mmよりも僅かに厚くなっていますが、計測誤差の範囲ですね。実銃よりも内蔵するカートサイズが大きくなっていても、サイズを大幅にデフォルメしていないのには感心します。

重量はカートリッジ混みで約70g。材質自体が異なるので実銃の1/3程度の重さになっています。

次に細部を見ていきます

バレル左側には「LIFE CARD.22LR」の刻印が入っています。サイズや書体も実銃とほぼ同じで違和感はありません。

実銃ではフレーム左側に「TRAILBLAZER FIREARMS」のロゴマークやシリアルNO、製造社&所在地の刻印が入っているようですが(幾つかの異なるパターンがあるようです)、それらは省略されています。

上部には実銃同様、サイト代わりの細い溝がしっかりと再現されています。正確に狙うと言うよりも近距離でおおよその方向に狙って撃つという性格のサイトです。

正面から見るとバレル内には、しっかりと真鍮製の長さ3cm程のインナーバレルが入っています。インナーバレルの奥に見える4つの窪みはカートリッジ内のガス放出口です。

後方から見ると固定HOPの突起も確認できます。このサイズでエアガンとしての性能もしっかり追求されているのに改めて脱帽です。

バレル後部の複雑な形状(実銃と同形状)のロック用パーツは樹脂製でバレル部と一体成形されています。

強度的に不安を感じる箇所ですが、ロックレバーをキチンと操作する限りは力がかからない部分なので、恐らく大丈夫なんでしょう。

一番の作動パーツのトリガーは当然金属製で、トリガーを引くときに力がかかる上下フレームのヒンジ部分も、しっかり金属パーツで作られているので逆に安心感があります。

フレーム下部(グリップ部分)には実銃と同様カートリッジ収納用スペースの蓋が再現されています。

モールドかと思ったら別パーツで、しかも開閉できるのには驚きました。さすがに付属カートは入りませんが、細かいところまでしっかり再現してありますね。

蓋のパーツ自体は薄いので、頻繁に開閉する前提で作られていないのかもしれませんが、再現されているだけで満足度が違います。

BB弾発射までの操作方法について

付属の蓄圧カートの使用方法は、ガスを注入する前にカート先端にBB弾を押し込みます。

その際弾頭部分がカート本体に押し込まれます。この状態でカート内のバルブが解放されるようです。

トリガーを引くことでカートが押されバルブが解放されるプッシュ方式となっているので、Life Card本体にはハンマーなどの撃発パーツが存在しません。安全対策が十分配慮された設計だと思います。

カートにBB弾を装填できたらカート後方の注入バルブからフロンガスを注入します。注入時間はほんの一瞬入れる程度が良いみたいで、少しでも入れすぎると圧が高すぎてトリガーを引けなくなります。

※ガスを入れ過ぎた場合は、カートの注入バルブを緩めてガスを抜き出すのが一番簡単な解決方法のようです。

実銃の操作に準じた、発射までのプロセス

(1)フレーム上部のレバーを後方に引きながらバレルをブレークオープンして、カートリッジを込めて、レバーを再度引きながらバレルをクローズします。
(2)フレーム株のレバーを前方に引きながらフレーム下部の前方を開いていきます(この時トリガーに触れると発射する可能性があるので、注意が必要です)。

フレーム下部がロックされる位置にきたら、発射ポジションになります。

実銃では、この状態でハンマーを引いてコッキングしますが、このモデルではハンマーは可動式のダミーです。ハンマーを引かなくてもBB弾の発射には影響ありませんが、引いた方が雰囲気が出ますね。

ハンマーはダミーながらトリガーを引くと前進するギミックが付いています。この辺りのこだわりはさすがです。

(旧)和室工房さんの「Life Card.22LR」操作説明動画(YouTube (旧)和室工房chから転載)

トイガン的には公式動画のように、フレーム下側(グリップ部)を起こしてからカートリッジを装填する方が、安全面(起こすときにトリガーを引いてしまう可能性があるので)よさそうです。

試射後の簡単な説明

グリップ部分が小さくて握りにくいですが、トリガープルは軽いので非常に撃ちやすく感じます。カートリッジのガスを最小限にしても、BB弾発射と同時にマズルから煙上のガスも放出されるので雰囲気は最高です。

室内で3mぐらいの距離からの試射ですが、ラフに狙っても100mm程度の的内に普通に収まる感じです。

個人的にはハイスタンダードデリンジャーのように人差し指をバレルに這わせて、中指でトリガーを引くのが一番撃ちやすかったですね。

気になる初速については、手持ちの弾速計(XCORTECH X3200)では計ることができませんでした。BB弾と同時に出る発射ガスの影響と思われます。

最後に(サマリー)

(旧)和室工房製のエアガンは、「B&T VP9」「ウェルロッドMK2」に続き、「life Card .22LR」が3丁目となります。

前の2丁は共にプッシュ式エアコッキングとABSと金属の削り出しで作られていたので、見た目的には「life Card .22LR」が一番”同人フルスクラッチエアガン”という名称にふさわしいガレージモデルっぽさがあります。

実銃のサイズや変形偽キックの再現に加えて、蓄圧式カートの採用がこのモデルの楽しみ方を増幅させています。

構造的には、トリガーと連動したプッシュ式のバルブ解放方式や、ダミーのハンマー等安全対策は必要以上に取られているのも好感が持てます。

昔に流行った、スパイ映画の小道具のようなモデルです、これを実銃で開発したTRAILBLAZER FIREARMS社も凄いですけど、エアガン化した(旧)和室工房さんも凄すぎですね。

小型のトイガンにありがちなデフォルメを排除したリアルさと、エアガンとしての実用性以上に”発射までのプロセス=操作する楽しさ”を感じさせてくれるトイガンです。

(旧)和室工房 Life Card.22LR・・・・・・・・・・20,000円(税込)
(旧)和室工房 Life Card.22LR用カートリッジ・・・ 2,000円(税込)

参考資料
TRAILBLAZER FIREARMS HP
http://www.trailblazerfirearms.com