VFC G36 アップグレードキット
レビュー(G36Kの分解と組み込み)
昨年末に発売予告がされたままになっていた「VFC G36アップグレードキット」がようやく発売されたので、キット内容と合わせて旧型G36への組み込み方も紹介します。
VFC G36アップグレードキットについて
パッケージは約11×22cmサイズの無地段ボール箱。右上の小さなシールに「VF9-KIT-G36-BK01 GB36 GBB Upgrade Kit」管理番号と思われる記号と商品名が入っています。
中身は、ver.2用マガジンと同ボルト、新型HopUp関連パーツの3パッキンが入っています。組み込みに関する説明書の類いはありません。
パッキンを開封するとこのような感じです。ボルトとマガジンについては旧モデルのモノと交換するだけですが、HopUp関連パーツはバレル周りを分解して取り付ける必要があります。
新型のボルトはロータリーラグとローディングノズルが一体化されて、内部のスプリングによって、ボルトクローズ時に常に後方にテンションがかかるようになっています。
また、ローディングノズル内にはガス流量調整システムがあるので、ブローバック作動のバランス調整が可能になっています。
マガジンは一部のパーツを除いて新造されているようで、ボトム部分の気密性の改善や、マガジンリップがシングルカラシアム化されて給弾の確実性が増しています。
ガスルートパッキンも改良されていて作動製UPに貢献しているようです。
アップグレードキットの新型HopUp関連パーツは7点。インナーバレルロック以外は旧モデルと互換性はありません。
※個々のパーツ名は正式名称が不明なので、便宜上独自名称を付けています。
G36シリーズ本体の取説にも分解方法は載っていないし、キットにも取り付けに関する説明書は付属しないので、分解は自力で進めるしかありません。この時点では分解しすれば、ポン付けで組み込めるものと思っていました。
G36Kのバレル部分の分解とHOP周辺パーツの取り付け
今回アップグレードキットの組み込みを行うは旧型のG36Kです。
純正4ポジション(バースト付き)のロアレシーバーと、キャリングハンドルをマルイ製スコープ付きに交換し、フォアグリップに純正レイルを取り付けた以外は、オリジナルのままです。
バレル部を分解するだけですが、最初に通常分解まで行宇必要があります。キャリングハンドルやロアレシーバーも後々邪魔になるので、最初に外してしまいます。
アウターバレルから、フラッシュハイダー(逆ネジ)を捻って外し、ガスブロック下のイモネジを外してからガスブロックとピストン部分を前方に抜き出します。
この後のバレル周辺の分解には、純正の専用バレルレンチが必要です。他に代用できるツールがないので、重くて大きくて邪魔ですが必ず用意する必要があります。
アウターバレルごとバレルレンチをかぶせて、バレル基部前方のバレルナットAを外して抜き出します。
バレルナットはネジ止め剤で固着されているので、中々動きません。一端バレル基部をドライヤーで温めてからレンチを当てて、レンチのハンドルをプラハンマー等でで叩きながら正ネジ方向に回すと、外せるようになります。
バレルナットAが外れればアウターバレルがそのまま前方に抜き出せます。再度バレルレンチをかぶせて、奥にあるバレルナットBをAと同様に回して前方に抜き出します。
次にアッパーフレームからHopUpプッシュプレートを取り外します。このHopUpプッシュプレートは肉厚が薄く外すときに破損しやすいので、ドライヤーで温めてから小型のマイナスドライバー等を使って外します。
Hopレバーを押し込みながらインナーバレルを前方から押して、アッパーフレームからチャンバーを後方に抜き出します。
さらにインナーバレルごとチャンバーを、アッパーフレーム後方から抜き出します。
チャンバーからチャンバーピンを抜いて、上部からHopレバー・Hopスプリング・クッションゴムを外し、インナーバレルごとインナーチャンバーを前方に抜き出します。
バレルロックを外し、Hopチャンバー方向にインナーバレルを抜き出します。これでアップグレードキットの組み込みが出来るようになりました。
HopUp関連パーツの組み込み
アップグレードキットのパーツを比べると、ほとんどのパーツが改良されています。例えば新旧のHopレバーを比べると、アップグレードキットのものは押しゴムが無くなってレバーと一体化されています。
旧モデルのHopチャンバーは、VFCオリジナル形状の長いタイプだったものが、新パーツはマルイのVSR互換タイプに改良されています。
インナーバレルは旧モデルのモノを流用することになっていたので、加工無しで使えると思っっていましたが大間違い。結局VSR用Hopチャンバーに合わせてバレル後端の加工を行い、新たにHopチャンバー止め用溝とバレル止め用溝の加工が必要になりました。
画像のバレルは、位置決めをイージーミスで間違えて、不要な溝加工を余計にしてしまいました。正しいのはチャンバー側の方です。
正しい位置決めは、最初にHopチャンバーを付けたインナーバレルをインナーチャンバーにセットします。インナーチャンバーにHopチャンバーカバーを取付けて、チャンバーカバーとHOPチャンバーが面一になるようにセットします。
その状態でバレル止め溝の位置を確定させて印を付け、再度バラしてインナーバレルのバレル止め用の溝加工をします。
Hopチャンバーをセットしたインナーバレルをインナーチャンバーに差し込んで、インナーバレルロックを嵌めてインナーバレルとインナーチャンバーを固定します。
今回はインナーバレルのバレル止め溝の加工が悪く多少前後に動くので、ネジ止め差異を使ってインナーバレルとインナーチャンバーの固定を補強しています。
次にインナーチャンバー&インナーバレルをチャンバーに差し込んだ後に、Hopレバーをチャンバーピンでチャンバーに固定します。
Hopスプリングもこの段階でセットしますが、この段階ではインナーチャンバーとチャンバーは完全に固定されていないので、インナーチャンバー側に瞬接で軽く止めておくと次のフレームへの組み込みが楽になります。
チャンバーユニットのフレームへの組み込み〜完成へ
チャンバーをアッパーフレー後方からセットしていきます。その際インナーバレルを引っ張ってしまうと、チャンバー内でインナーチャンバーの位置がずれてHopレバーの孔からHopスプリングが外れてしまいます。
インナーバレルは前方から支えるだけにして、チャンバー側から押すだけでセットするようにします。
チャンバーがセットされた状態で、HOPレバーをドライバーなどで押してみます。
しっかり下がりきれば問題ありませんが、途中で引っかかるようだとHopレバーの孔からHopスプリングが外れてしまっている(スプリングが倒れている)ので、Hop調整が出来ません。
再度チャンバーを抜いてやり直すことになりますが、チャンバーを抜く際にHopスプリングにダメージを与えるので、同径のスプリングを予備に持っていると安心です。
分解と逆の手順でフレームにバレルナットとアウターバレルを組み込みんで行きます。取り付け位置が不明なOリングはチャンバーとアウターバレルの間に入れて、インナーチャンバーの固定を確実にするために使用しました。
アウターバレルにガスブロック、ピストン、フラッシュハイダーを組み込めば、通常分解時の状態に戻ります。後は新型ボルトを組み込んで元に戻すだけです。
レシーバーにボルトを組み込む前に、ボルト内にあるガス流量調整器メカの設定を確認します(所持モデルではBLK作動側にガス流量が調整されていました)。
ローディングノズル口から1.5mmレンチを入れて左に回せば、BB弾発射方向のガス流量が多くなり、右に回せばBLK作動のガス流量が多くなります。
レシーバーにボルトとリコイルSPユニットを組み込み、ロアレシーバーとキャリングハンドル、フォアグリップを取り付けます。各部の作動を確認して、新型マガジンを付けて試射を行って問題なければ完成です。
<span style=”color: #003300;”>最後に(サマリー)
試射した限りでは、旧モデルとは別モデルのようにブローバック性能が改善しました。従来は不可能だったフルオートでワンマガジンを撃ち切ることも問題なく出来るようになりました。G36シリーズに関してはVer.2化は必須ですね。
HopUpについては、近距離の試射のみなので、ハッキリしたことは言えませんが、弾道そのものは素直でフラットな感じなので、集弾性にも期待できそうです。
VFCは過去にもバージョンアップキットやコンバージョンキットを販売してくれていますが、説明書が付いていたことがありません。今回のように旧モデルのバレルを加工して取り付けるのが前提であれば、加工に関する説明書ぐらいは付けて欲しいところです。
合わせて、別売でも良いので新型のインナーバレルの供給をしてもらいたいものですね。加工の手間を省きたいとか、失敗時の保険とか当面は用途があると思われます。
もっとも予備パーツが旧モデル用とVer.2用が市場に混在している現状では、そちらの整理が優先課題ですね。
VFC G36アップグレードキット・・メーカー希望小売価格15,800円(税抜き)
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