KSC M4−ERG マグプルCQB レビュー

レビュー

2013年12月21日に発売されたばかりのKSCの新型電動ガン 「M4−ERG マグプルCQB」が無事到着。

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最近のKSCぽいデザインのパッケージですが、KSCのロゴや日本語の注意書きはシール対応。噂どおり、海外でマグプルPTSが既に発売しているものを国内向けに輸入した感が強いですね。

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パッケージ内部はこんな感じ。発泡スチロールの形状はGBBのM4マグプルverと同じということは、生産も同じところなのですかね、KSCはKWA(KWC)との生産委託について言われていますが、実際マグプルPTSとKSC、さらにKWA(KWC)の関係ってどうなっているのか興味があります。推測はできるけど確実な情報がないですからね。

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箱出し状態のM4−ERG マグプルCQB(以降M4−ERG)は、GBBのマグプルCQBと同じ仕様(同じモデルだから当たり前で)10.3インチバレルにマグプルMOEハンドガード、グリップ、ストック、バックアップリアサイトに加え、お馴染みのマグプル専用レシーバーが組み込まれたカスタム仕様となっています。

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(↑上:KSC M4−ERG、下:KSC M4—MAGPUL GBB)

KSCのM4−MAGPUL GBB(以降M4−GBB)と比較すると、MOEグリップの形状やリアサイトに違いがあるものの、一部の金属パーツの仕上げを除いて瓜二つ。レーザーで入れられたシリアルNOも同じ場所に入っています。ちなみにM4−GBBのシリアルはXSから始まっていて、M4−ERGはXUから。まさか連番じゃないでしょうね。

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コッキングレバーを引くとダストカバーが開いて、チャンバー部のHOPUP調整ダイヤルにアクセスできるようになります。ロッキングボルトは、側だけのダミーなのでレシーバー部で最も電動ガンぽさが出るところです。ここだけリアル感が乏しい作りですが、構造上しょうがないですね。

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(↑上:M4−ERG、下:KSC M4—GBB)

レシーバー下部からマガジンハウジングを除くと、トリガー側の形状がM4−GBBとM4−ERGでは異なっています。当たり前ですけどレシーバーは同じベースを使用しても共用ではないようです。

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M4−ERGのマガジンハウジングから見えるメカボには「Do not take The seal off」のシールが貼られています。KSCの修理を受けられなくなるので、メカボを勝手に開けるなっていう封印みたいなものですけど、マルイの電動と同じく、やるなら自己責任でということですね。KSCの初物は初期不良で修理送りになる可能性もあるので、今回は分解を中止して様子見にします。

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(↑上:KSC M4−ERG、下:KSC 4MAGPUL GBB)

グリップ部分を下側から見ると、ERGは当然この部分にモーターがは入っています。恐らくマルイの電動ガンと互換性のあるPTSパーツなんでしょうが、GBBのオリジナルグリップと太さがそれ程変わらないのは良いですね。
自分が電動ガンに馴染めないのはグリップの不自然な太さも要因としてはあったので、これは歓迎する部分です。

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マガジンハウジング周りの角張った感じがマグプルフレームの特徴ですが、自分的にはこのシャープな感じが好きですね。マガジンハウジング前面の滑り止め加工なんかは実用面でも有効に思われます。実銃では試作パーツだけに終わったようですがちょっと惜しい気がします。

ちなみにフレーム右側マガジンハウジング下部の白っぽい2つの点は当初から付いていた傷。こういうところが海外製ぽいですね。

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バレル周りはCQBを前提とした10.3インチバレルとオリジナルフロントサイトとハイダー、MOEハンドガードの構成です。ハイダーは逆ねじタイプをイモネジを使って位置固定する仕様です。MOEハンドガードは外観もFALっぽいし、レイルに比べて軽量・握りやすいのが良いですね。

アウターバレルは金属製の一体型で剛性感は抜群です。フレームとの固定も実銃どおりなので、ハンドガードを握っても本体フレームとの歪みとかは感じられません。

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バッテリーはMOEハンドガードの下側を外して内蔵します。外すためにはデルタリングを後方にずらさなければなりませんが、デルタリングのスプリングが強すぎて素手では外せません。片手でデルタリングを下げた位置に維持できないので、当然ハンドガードを外す手が足りなってしまいます。

実銃やGBBならばハンドガードの固定重視でも良いんでしょうが、バッテリーを頻繁に入れ替える電動ガンでこのスプリングの強さは問題ですね。次回分解するときに調整しようかと思っていますが、それまではドライバーをつかって傷つかないように抉って外すしか無いようです。

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マグプルフレームではトリガーガードは一体型になっていますが、その分大型化しているので、グローブをした指でも問題無いようになっています。KSCのシールは下手に剥がすと、ノリが残るので後回しです。

特筆すべきはセレクターで、アンビにはなっていませんが電動ガンとは思えないクリック感でポジションがキッチリ決まります。リアルな操作感が売りのM4−GBBよりもクリック感があるのは目立たないけど大事なことだと思います。

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マグプルMOEストックは、レバーロックこそありませんが、エクステンションレバーが内側にあるので誤作動の可能性も低くコルトオリジナルよりも使いやすいですね。見かけがコンパクトなのも魅力です。ストック周りにバッテリーが無い設計の恩恵ですね。

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バックアップサイトはマグプル純正のMBUS2。コンパクトになったと言われていますが、初代のものと比べて余り違いを感じません。強いて言えば若干薄くなったぐらい、刻印とかデザインとかは異なっていますけどね。

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このモデルで気にいったのがマガジン。マグプルPTS純正Pマグでインナーの切り替えボタンで60/30連の切り替えが可能。電動ガンのマガジンはGBBと違って軽いのが良いですね。また、マガジンは共通仕様なのでマルイのM4マガジンも流用できます。ということは逆も可ということですね。

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エアソフトガンに本来不要のマガジンカバーも付いていて、必要なくてもカバーをかけたりしちゃいます。こういうところがリアルだと嬉しくなりますね。

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嬉しくなるのが、マガジンのBB弾フォロアー。逆さ音符のような変な形ですが、この状態でボルトキャッチがかかります。ノーマルの電動ガンって弾切れしても本体は作動し続けるので興ざめだったけれど、機械的にモーターが止まるので結構リアルに感じます。

問題点としてボルトキャッチの解除の操作感が弱く(別にボルトがクローズするわけでもないので)、さらに操作をしてもメカボックス内のストップ機構を解除できないこともありました(何度かボルトキャッチを動かしていると直りましたが)。マガジン交換後に突然動かなくなった場合は、ボルトストップ周りのチェックをお奨めします。

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気になる初速はこんな感じで、当然規制値には収まっています。今回何故か連射速度が測定できませんでした。残念!

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実射した感想は,反動自体はGBBには及ばないものの1発ごとに反動があるので弾を撃つ感覚が味わえます。個人的な感覚かもしれませんが、ノーマルの電動ガンは自動的にBB弾をばらまく感じで、銃を撃つ感覚から遠かったと言うことだと思います。

この辺りは、モデルガンのブローバックを経て電動ガンに入った自分と、最初から電動ガンから入った人とは異なる感覚かもしれませんが、反動の付加によって撃ち味が気に入ったことは確かです。集弾性は6m程度の近距離での実射しかしていないので感覚的なことになりますが、最近のKSC製品らしい素直な弾道でかなり期待できそうです。

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電動ガンの購入は久々でしたが、この撃ち味なら冬場のGBBの代わりは充分勤まります。撃って楽しいモデルなのは確かです。フルメタルでマグプルPTSパーツ満載での価格も納得ですが、直販だけになったのは勿体ないですね。そのうち問題が解決することを期待しましょう。

↓ KSC M4−ERG マグプルCQB実射動画はこちら

↓KSC M4−ERG マグプルCQB実射動画(次世代比較ver)はこちら

参考資料
アームズマガジン2013年11月号
アームズマガジン2014年1月号