KSC AK74M GBB レビュー
(発売2年後の初レビュー)
KSC製AK74M GBBですが発売は2012年10月だったと思いますが、バリエのAK74Uが好調だったので、発売順と逆の後追い購入となった個体です。
実銃について簡単に触れておくと、AKMを小口径化したAK74を、1990年にプラスチック製の折り畳み銃床装備としたものがAK74Mとなります。本機種によって、従来の固定式ストックと金属製折り畳みストックの2系統を1機種に統一することが可能になりました。
プラスチックの成形色も黒色となって、より近代的な外見となりました。ロシアでは既に後継機種のAN−94が正式採用されていますが、高コストと作動面の問題、設計者の事故死などにより配備・改良が遅れているため、現在もかなりの数が現役のようです。
AK47から続く操作性の継続の反面、暗視装置などの拡張性に乏しく(ピカニティレイルの不備)などから旧式化したと言われているが、アフターマーケットの改良パーツを付けたM4モドキよりもノーマルAK74Mの方が,個人的には好みですね。
次にKSC製AK74Mについて見ていきます。
AK74Mで目を引くのが大型のフラッシュハイダーで、マズルブレーキ機能を備えることで大型・複雑化しています。サイト基部のロック機能のお陰で固定位置が決まっているため、M4のような固定位置の調整を考慮する必要が無く便利。
ハンドガードから先のバレル長は約8cmもあるフラッシュハイダーを入れて28cmと、AK47等と比べて取り回しにくい感じです。
ハンドガードはAK74後期型以降の形状で黒色プラスチック製。滑り止めモールドのお陰で木製タイプよりも握りやすくなっている。特にKSC製は金属部分がマットブラックのため全体がツヤの無いブラックで統一されて,却って現代銃っぽいモダンなイメージになっています。
フレーム左側、トリガー上部にはスコープマウントベースが取り付けられています。KSCのスコープマウントベースは東京マルイ製のAK74と互換性が有り、東京マルイ製のスコープマウントが無加工で装着可能です。
実際に4倍程度のスコープを取り付けると、スコープのアイリリーフは充分取れてもストック自体の長さ不足と高さ不足が気になります。AK74Mのスコープマウントは、スコープを使った精密射撃よりもドットサイトによる素早いサイティングに適していると思われます(実銃はナイトサイトの装着を前提としているようです)。
スコープマウントを付けると、ストックの折り畳みができなくなります。構造的には無理なのが理解できます(実銃も同様でしょう)し、運用上問題無いのでしょうが個人的には納得しがたい仕様です。
このスコープマウントベースの最大の問題点は、スコープを取り付けて撃っていると、固定ネジが緩んでくることです(発売直後に多数net上で報告されていたままだったのは少々がっかりしました)。六角ソケットネジでフレーム内側からマウントベースを止めているので、ネジを締め直すのが超大変です。スコープマウントを使う場合は、緩む前にネジロック等で固定しておいた方が良いようです。
ストックは折り畳み式ですが、伸ばしたときにガタはほとんどありません。折り畳みストックは好きですがストックのガタは興ざめなので、結構重要なポイントだと思います。また、AKMと異なる弾薬を使うAK74を区別するために付けられているストックの溝もしっかり再現されているのが、良いアクセントになっています。
折り畳んだストックはバットプレートにあるボタンを押してロックを解除します。実際の使用にはなんの問題もありませんが、バットプレート上にあるボタンにはかなり違和感がありますね。西側の銃器では考えられないデザインです。
モーターでデフォルメされていないグリップは、かなり細めです。グリップ前方のトリガーガード+マガジンキャッチのゴツさとは対照的です。GBBの良い点の一つはグリップサイズがデフォルメされてないことですね。
セフティ兼セレクターはAK系のアイコンとも言うべき、シリーズ共通のもの。クリック用のSP等は無く、スチールの弾性を利用して固定します。所持モデルはセレクトポジションの固定がかなり甘くなってましたが、セレクター曲げるだけで回復しました。
ガスチューブはAK74特有のバレルに対して垂直に近い角度を再現しています。隙間から見える銀色の部分はガスチューブで、実際にボルトと連動して動きます。ブローバックするときは殆ど分かりませんが,手動で操作するときは思わずニヤリとなるギミックです。
リアサイトはクラシカルなタンジェント型。元々正確に狙うというよりも、素早く狙う事を重視しているんでしょうね。ストックから距離があるので老眼でも見やすいのは偶然でしょう。右側のハンドガードロックレバーは実際に作動するので、ハンドガードを外すときに使用します。
レシーバーカバーは固定ボタンを押すだけで簡単に外すことができますが、ガタが殆どないのはさすがKSCですね。カバーを外したままで撃てるのも実銃どおり。ボルトの動きはスムーズで、リコイルSPは弱いものの充分モデルガン的に楽しめます。
ここまでの分解は工具なしで可能。AK系がメンテナンスしやすいというのは、こういうことなんですね。因みにハンドガードまでの分解は簡単ですが、バレル以降の分解はそれなりに面倒です。
マガジンはAK74後期型以降の黒色プラスチック製で、AK74Uと共通。前期型の赤茶色のマガジンも捨てがたいけど色味的に共有できる黒色が妥当ですね。中身は亜鉛ダイキャスト製で気化効率は高そうですが、大型マガジンなので重さが、1本800g弱もあります。GBBの欠点はこのマガジン重量で、複数持ち歩くのはかなり苦痛です。
マガジンには空撃ちモードと実銃には無いボルトストップモードが付いていて、マガジン底部に入っているツールを使って切り替えが出来ます。仕組みはマガジンフォロアーを上下させて、上げるとフォロアーにボルトがぶつかって止まるシンプルなもの。切り換え方法にはこだわっているのに、200gのボルトをBB弾のマガジンフォロアーで止める仕組みは単純過ぎ?フォロアーの耐久性が心配です。
ボルトストップモードでは最終弾発射後、こんな感じでボルトが止まります。GBBとして遊ぶにはあった方が良い機能ですが、実銃では普通にクローズするので少し気にはなりますね。
肝心の実射性能ですが、AK74Uに比べ、ピストンの長さ分ボルトが15g程重く、205gもありますが、AK74Uに比べて気持ちモッサリした感じがしますが、大差ない感じ。調子が悪かったときは、必ずマガジンにガスが充分入っていなかった場合で、ボンベがマガジンよりも冷えていたことが原因でした。
また、何度かに分けて撃ったなかで、フラッシュハイダーの内壁にBB弾が当たって内部に残り、そこに次のBB弾が次々に当たる弾ポロ現象が頻繁に起きましたが、原因はHOPダイヤルがいつの間にか強になっていたことのようです。HOPゼロにしてからは起きていません。
マガジンにガスが充分入っていて、20℃程度の室温と同程度にマガジンも暖まっていれば、快調に作動しました。
↓KSC AK74Mの動画はこちら
参考
アームズマガジン 2012年11月号
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