マルシン コルトコンバットコマンダー
MTレビュー(2013.10.01更新)

レビュー

「マルシン コルト コンバットコマンダーMT」は、従来からのマルシンのコマンダーにタニコバデトネーター方式を採用したモデルガンです。タニコバのGM7からキャップ詰めが楽なデトネーター方式と、使い捨てタイプカートを採用したモデルです。

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当初は価格の高いタニコバGM7の廉価版としてのタイアップだと思っていましたが、実際の販売価格を見る限り廉価版と言うよりも、タニコバGM7では再現できないノーマルガバ・コマンダーのバリエ展開と考えた方が良さそうです。

コマ2

スライドを外してみると、フレームには金属シャーシが。スズキからマルシンに販売が移管されてから、シャーシがプラになっていたので、これは嬉しい復刻。スライドの抵抗はプラ同士よりよりも少ないと思われます。もっともこれは、MTになる前から改善されている点なので、自分が知らなかっただけですね。

最初に手動で作動させてみると、製品自体が古いモデルなので金型の傷みでパーツの精度が悪いことと、最近のマルシン製品に共通の仕上げの荒さのためか、幾つかの問題が見つかりました。

問題点は

(1)セフティレバーが途中までしか動かず、セフティオンでもトリガーを引くと
ハンマーが落ちてしまう。

(2)スライド操作時にハンマーが落ちてしまう

(3)マガジンからチャンバーへのカートの装弾不良

(4)最終弾排莢後のスライドストップの作動不良

一回バラして、これらの調整をすると共に発火に向けて、マッドポリスさんの調整法を参考に以下の3点を調整してみました

(5)リコイルスプリングガイド後面の溝加工

(6)リコイルスプリングプラグの回転止め

(7)エキストラクターの調整

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↑ 調整前のセフティーレバーはオンでこの状態。レバーの動きが不足してセフティがロックできません(この状態でトリガーを引くとハンマーが落ちます)。

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(1)と(4)については、セフティレバー、スライドストップのそれぞれの溝部分がバリなどによって、フレームの厚みより狭くなって動きが悪くなっていたのが原因。単純にヤスリがけで作動するようになりました。

特にセフティレバーは無理に組み込まれていたためにフレーム部分の樹脂がめくれてシアーの動きを悪くしていました。問題箇所を削ると、(2)のハンマートラブルもなくなりました。

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↑調整(単に摺り合わせただけですが)の結果、セフティ・シア周りの作動不良は、あっけなく改善。これって単なる組み立て不良だと思います。

(3)についてはバレル素材がポリのような軟質素材のためバレルエンドのパーティングライン部にバリが残っていて、スライドクローズ時に余分な抵抗を生んでいました。そこでバリ取りとフィーディングランプの磨き直し・若干のボアアップをしたところ、手動での装弾排莢は問題無くできるようになりました。

(5)~(7)に関しては大阪ガンショップマッドポリスさんのブログを参考にさせていただきました

コマ

スライド内部。本来のリコイルスプリングに加えて、バレルにもスプリングが追加されているのはGM7と同じ。バレルリンクが2重になっているのが、リコイルSPガイドの溝がノーマルのままなので上手く作動していないことと、リコイルSPプラグの回転がよくないようです。個人的にアシストスプリングが弱めなのも気になりました。

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リコイルスプリングガイド後面の溝を2枚のバレルリンクが収まるように広げました。リコイルスプリングプラグの回転止め加工はプラ板(白い部分)をプラグに接着しました。プラグの加工はかなりイージーにしましたが、回転止めだけなので強度的に問題無いと思ってます エキストラクターは曲げを若干弱めたところリムの欠けがなくなったので、現状で様子見です。

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発火に向けてマガジンが1本しか無いのは心細いので、予備があったタニコバ製マガジンを使うことにしました。

コマ3

↑ 上がタニコバGM7マガジン、下がマルシン製。互換製があると思ってましたが、タニコバマガジンをマルシンMTに挿入するとかなりガタが出ます。それでもマガジンキャッチは普通にかかるし、手動での装弾でも問題無さそうなので、これで発火にチャレンジしてみます。

発火動画はこちら

何とか1マガジンはノートラブルで撃てましたが、2マガジン目は最終弾が閉鎖不良になるなど、7割ぐらいの完成度です。

 

マッドポリスさんのオリジナル記事はこちら

2013.10.01 記事の追加

3度目の発火に備えて、内部チューニングを実施しました。

マルシンコンバットコマンダーMTの問題点はスライドの不完全閉鎖による不発。そこで動きのシブイバレルリンク周りを再度調整してみました。

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今回最も重要視した調整箇所はバレルリンク。バレルと固定するピン穴とスライドストップを通す穴のクリアランスを大きくとって、それぞれがスムーズに動くよう各穴を研磨しました。元々プレスで打ち抜いただけの穴の縁も合わせて加工・面取を行いました。

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リコイルSPガイドの溝を前回広げた時の幅に余裕が無く、仕上げも雑だったのを再度広げて仕上げ直しました。

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これでバレルリンクの収まりも良くなり、手動で作動させた限りではショートリコイル時の引っかかりもなく、動きは数段スムーズになりました。そのため、今まで強制的にスライド閉鎖をさるための強めのアシストSPをオリジナルの弱いモノと交換しました。結果的にこれが失敗となりましたが、BLK作動自体は格段に良くなっていると思います。

最新の発火動画はこちら(2013,10,01)