東京マルイ S&W M&P9 V CUSTOM
GBBレビュー

レビュー

実銃(S&W M&P 9)についての簡単な説明

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S&Wがグロックのコピーとして評判を落としたシグマシリーズ、ワルサー社との提携で生まれたS&W99の後に、ポリマーフレームオートの第3弾として独自開発されたのが、2005年に発表されたのがM&Pシリーズです。

リボルバーのベストセラーとして一時代を築いた、M10 M&Pの名を冠したオートピストルは、グロックピストルの長所を研究して開発され、ハイグリップしやすい人間工学に基づいたグリップ形状や、連射しやすいリセット量の短いトリガーメカニズム、平均を上回るマガジン装弾数を持つ事に成功し、アメリカ製ポリマーフレームオートとしてはトップクラスの性能を持っています。

東京マルイ S&W M&P V CUSTOMについて

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2014年8月に発売されたS&W M&P9モデルにハイブリット・ナイトサイトを搭載し、ボディカラーをフラットダークアース(FDE)にしたものが12月に発売されたV CUSTOMになります。

マルイからの詳細はありませんが、タクティカルメーカーの「VIKING TACTICS」社が開発したサイトシステム(集光サイトとトリチウムサイトの二段サイト)を搭載したM&P9のバリエーション「M&P9 VTAC® Viking Tactics」がベースになっているようです。

バリエーションが多いM&P9の中で、マイナーなマニュアルセフティ付きモデルをモデルアップしたのは自主規制なんですかね。マッチとかの絡みもありそうですが、セフティが付いていた方がトイガンでも安全なのは確かでしょう。

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パッケージはV CUSTOM 専用の4C印刷のもの。バリエモデルのパッケージにシール対応などでは無く専用印刷パッケージを作れるのは、今やマルイぐらいになりました。

生産数が他社とは段違いなので可能な事だとは思いますが、パッケージに力を入れている姿勢は評価したいですね。

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蓋を開けると、綺麗にディスプレイされた状態で本体やマガジン他が収納されるようになっています。ベースの厚紙の切り込みと、蓋に付いた緩衝材を使って位置が固定される独特の設計となっています。最近のマルイのパッケージの洗練度は大したモノです。

本体にマガジンを付けてしまうと、かなりギリギリになりますが予備マガジン1本は収納可能。他にアクセを付けると仕舞えなくなるのが欠点ですね。

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S&Wの商標認可は受けているようで、スライドには「S&W」ロゴと「M&P」ロゴが入っています。ロゴ自体がサイズ的に大きいので、これが有るのと無いのとでは全体のイメージが大きく変わってしまいますね。

スライドのアルマイトっぽいメタリックなカラーとフレームのアースカラーは共に成形色なので、剥がれる心配はありません。それにしてもスライドの色目は良いですね。

実銃のノッペリとしたアースカラー塗装よりもリアルっぽいイメージなのが不思議です。実際はステンレススライドにはアルマイト加工できないんですけどね。

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スライド右側には実銃どおりに「SMITH & WESSON」「SPRINGFIELD. MA U.S.A」の刻印が入っています。フレームにはマルイ製とASGKの刻印とプレートに入ったシリアルNOが再現されています。

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実銃で絶賛されているグリップは、グリップ角度がM1911A1並で、フレームテール部が延長された葉意義リップしやすい形状をそのままモデルアップしています。ここにもしっかりと「S&W」ロゴが入っています。

アースカラーのマグバンパーが予備で付属してきますが、V CUSTOM専用の予備マグの発売は無いらしいので親切な仕様ですね。

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交換式のグリップパネルは、マガジンを抜いた後にフレーム下部のフレームパーツを90度回転させて引き抜けば、下側から外していく事ができます。実銃と同じメカの再現ですが、ポリマーフレームオートの交換式グリップの中で、最も進歩した機構だと思います。

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グリップパネルは3種類付属しますが、バックストラップ部のサイズだけではなく、グリップの厚み自体も異なっているので、パネルごとの握り心地もかなり変化します。また、パネル自体が軟質樹脂製なので滑り止め効果も高そうです。

交換自体が工具も使わず楽にできると、気の済むまで試せるのが良いですね。結果はいつも通り、本体に付属したMサイズに落ち着いてしまうのが残念ですが。

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ダストカバー部のレイルはピカティニー仕様となっています。サイズ的にはきつめながら(リアルサイズなんでしょうね)シュアファイアのタクティカルライトをガタなく取り付ける事ができました。

一見引きにくそうなトリガーですが、トリガーセフティが解除されると、トリガーの曲がり具合が指に馴染んで、グロックよりも引きやすく感じます。

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V CUSTOMの特徴のハイブリッドサイトは、モデルになった「VIKING TACTICS」社のサイトのイメージを上手に掴んでいます。上段の集光サイトはそのまま、下段のトリチウムサイトが蓄光サイトに変わっています。

実際に使用してみた個人的見解ですが、上下のサイトドットにコントラスの差が付かないので、ドットがゴチャゴチャして狙いにくく感じました。

特に薄暗い室内での使用時には顕著です。真っ暗な所で蓄光のみが光ったり、晴天の屋外では集光ドットが明るくなるので、このサイトの利点が発揮されますが、中間的なところの方が多いですからね。慣れの問題もあると思いますが、実際どう評価されているんでしょう?

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チャンバー部のローデット・インジケーターからは、カートリッジの真鍮ケースが見えるギミックが再現されています。ハンマーコック時やBB段のチャンバー装弾時とかには関係なく、見えっぱなしなのは残念ですが、マルイが実射性能に関係ない部分にも気を配りだしたのは嬉しいですね。

次は簡単に内部構造を見てみます。

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スライドオープンさせた後に、ディスアセンブリーレバーを90度下げて、スライドを抜き出すと日常分解レベルまでは簡単に行えます。最近のオートはリコイルスプリングがガイドと一体となったユニットになっているので、分解が楽で良いですね。

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シリンダーは前作HK45等と同様15mm径を搭載しているので、最新モデルらしい反動が期待できそうです。スライドノッチ対策としての金属パーツも上手な設計で取り付けられています。

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チャンバー基部にはカートを模した真鍮リングが取り付けられていているのは、前述したようにローディングインジケーター用のギミックですが、上手い工夫ですね。

実射についての簡単なコメント

マルイ製ハンドガンのガスブローバックメカについては、充分プルーフされているので作動の心配をしていなかったのですが、手動でスライドを引くとショートリコイルする部分に引っかかりを感じました。

実際に撃ってみると、最初のうちは閉鎖不良が頻発するというマルイ製にしては珍しい結果に。200発ほど撃ったら閉鎖不良も亡くなったので、アタリが取れたって事でしょうか。アタリが取れてからは、最終弾発射後はほぼ確実にスライドオープンするようになりました。

近距離で試しただけなので集弾性については確かな事は言えませんが、クセの無いフラットな弾道だったので、従来製品と変わらない性能だろうと推測できます。

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室温22度でマルイ製0.2g BB弾・フロン134aを使用して、初速65m/s前後の性能だったので、この辺りも従来製品通りだと思います。

東京マルイ S&W M&P V CUSTOMの実射動画はこちら

 

最後に(サマリー)

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海外製トイガンが市場に溢れる中、マルイ製GBBは価格と性能バランスが最も取れたポジションにあるのは確かでしょう。最近の製品は、リアルさを追求する方向も加わり、製品のパッケージ内容も行き届いています。

残念なのは発表から発売までの製品開発に時間が掛かりすぎるのと、堅実路線のために必ず製品が他社と被る事でしょうね。

販売シェアを考えれば今後も冒険をする必要は無いので、現用モデルのラインナップ中心の王道路線で行くのででしょうが、新製品が他社がモデルアップしたポリマーオートだらけにならない事を期待します。

参考資料
・月刊GUN誌 2006年9月号
・月刊GUN誌 2010年5月号