WE MP5K PDW GBB 海外版レビュー

レビュー

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WEから発売されている MP5(APACHE)GBBシリーズのバリエーションPDWの海外版を入手しました。大雑把に言えば、以前紹介したMP5Kにストックを付けただけのモデルですが、前作から1年以上経っているので変更点等があるかも見てみます。

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WE製品の国内正規輸入版は、相変わらず店頭に出回っていない上に販売価格も高止まりだったので、MP5Kに引き続き香港のショップから個人輸入してみました。

届いたパッケージはMP5A4のもので、MP5Kと同様APACHEの文字とイラストがしっかり入っています。このチープ感漂うパッケージで国内正規価格が高いのは正直いかがなものかです。

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パッケージを開けるとMP5Kと同様再生素材で作られた緩衝材の中に本体とマガジン、BB弾ローダー等が入っています。再生素材は小さいサイズのモノを2つに繋げて使用する合理的なもの。このコストダウンの取り組みは販売価格には反映されてないのが残念です。

まずは外見を見て行きます。

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MP5K PDWは初期にSEALsの依頼で開発されたというMP5KーNベースのものや、その後3バーストモードを搭載した通常モデル、MP5Kにストックを付けたモデルなど多種にわたります。

WE MP5K PDWは3バースト搭載なので通常モデルとして考えるべきですね。その際、付属のマガジンが23連ショートマガジンなのは、は少々不満があります。

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フロントサイト周りの色目がグレーになっているのは従来通り。外見上PDWに必須なフラッシュハイダーが標準装備なのは評価できます。色目もアッパーフレームと同じブラック系なので違和感がないようになっています。

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フラッシュハイダーを取り外すと、PDW特有のNAVYタイプのサプレッサー用バレルが表れます。ちなみにHOP調整をするためにフォアグリップを外すには、この状態からさらにスリングフックを外す必要があります。

ただでさえ外しにくかったフォアグリップを外すのに、余計手間が掛かるようになりました。

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(画像上下とも 左:WE製MP5K PDW、右:VFC製MP5K PDW)

前回MP5Kを取りあげた際も、スチール製アッパーフレームはVFCと同じものでは無いかという疑問がありましたが、今回改めてMP5K PDWとVFCを比べても微妙に溶接跡やプレス加工の皺が異なるので、別に作っていると考えた方が良いですね。

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セレクターはセフティ、セミ、フルに加えて3バーストモードがあるのがWE製 MP5シリーズの特徴。フルだけセレクターの固定が甘く、クリック感がなくオーバーランするのは前作のMP5Kと同様なので、改善はされてないようです。

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マガジンハウジングには初期のMP5によく見られた、スリングを引っかけるための金具が付いていますが、これはPDWとかMP5Kに必要なんでしょうか。刻印はドイツ語の口径表示の「Kal.9mm×19」が入っています。

フレームの切り欠きに比べてマガジンキャッチのサイズが小さいのはMP5Kと同じ。実用上問題無いんですが、見た目的に悪いので修正して欲しかった箇所です。

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フロントサイトガード、リアサイトは共にスチール製でMP5Kと全く同じ仕様です。リアサイトの溝が浅いところも従来通りです。MP5Kと異なり、ストックを使って狙うのには浅すぎる感じです。

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コッキングレバーの軸はスチール製でフレームもスチールなので、遠慮無くコッキングレバーを溝に引っかけた状態から、叩いてクローズすることができます。MP5シリーズのトイガンでこの動作が出来る事が気分的にも重要ですね。

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ストックは樹脂製ですがヒンジ部分からの金属パーツが深く入っているので,強度的な不安はありません本来はH&Kロゴが入る、中央の丸い部分にWEマークが入っているのが少々残念。H&Kロゴを入れられないなら、無地の方が良かった気がします。

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ストック剛性はそれなりに高いのに、ストック基部に樹脂部分を被せてあるだけなので、連射すると反動でストックが緩んできます。4マガジン程続けて撃つと完全にストックが取れてしまいます ので、接着した方が良いですね。

また、このストックは一旦持ち上げて折りたたむタイプなので、不意に折りたたまれてしまう可能性はありません。反面ワンタッチで折りたたみと展開が出来ないのは、慣れても不便ですね。

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今回別売のロングマガジン入手したので付けて見ると、マガジンとフォアグリップとの間隔が近すぎるように感じます。シルエット的にも違和感があります。

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(上:VFC製マガジン、下:WE製マガジン)

VFC製のマガジンと比べてみると、WE製のマガジンのカーブがかなりキツくなっています。このためにフォアグリップとの間隔が近すぎるように感じたようです。形状的にはVFC製のマガジンの方が実銃に近いと思われるので、かなり残念な仕様です。

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(上:WE製ショートマガジン、下:VFC製マガジン)

ついでにショートマガジンとも比べてみました。ロングマガジンと同様マガジンのカーブはVFC製よりキツくなっていますがマガジンが短い分、違和感はあまり感じなません。

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分解はMP5シリーズ共通で、フレーム後部のピンを2本抜くだけで、ボルトまで分解できます。この辺はメーカーが違っても大抵共通なので良いですね。

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ロアーレシーバー内部のハンマー&トリガーメカは六角レンチでアンビセフティを取り外すと、ブロックで取り外せるようにアレンジされているようです。ハンマー周りはグリスがベッタリ付いているので、拭き取りが必要です。

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ボルト重量は180gとフロンで充分動かせる範囲に収まっています。こちらもグリスだらけなので、一旦拭き取って素性のはっきりしたオイルを拭いた方が良いですね。

もう少し詳しい内部構造については、WE MP5K(APACHE)GBB海外版レビューを参照下さい。

実射性能について

室温21℃で行った箱出し試射の結果は、MP5K同様快調です。3バーストもきれいに3点射できます。一般的なフロン134aで快調に作動する要因の一つに、形状には問題ありますが気化効率に優れたダイキャスト製マガジンが上げられます。

また、ボルトストップ操作用のマガジンレバーですが、セットし忘れて発射できない事が度々ありました。セットしてあれば確実にボルトが止まるだけに、一手間増えた操作に慣れるしかないようです。

ボルトストップのメカについての詳しい説明はWE MP5K(APACHE)GBB海外版レビューを参照下さい。

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弾速計では連射速度は毎分630発前後(毎秒10.5発)と体感より高めの結果となりました。初速は0.2gBB弾使用で74m/s程度なので基準をクリアしていているようです。

30連タイプのロングマガジンを付けても初速は75m/s前後と、全体的にMP5Kのときよりも低めになっています。バラツキかもしれませんが、気温が上がったらもう一度計って見るべきですね。

このロングマガジンは装弾数45発なんですが、フルで一気に45発撃ちきるほどガスの容量が無いようで、撃ちきる事ができません。こちらも気温が上がったときに最チャレンジです。

▼WE製MP5K実射動画はこちら

最後にまとめ

WE製MP5K PDWもVFCと競作になりましたが、再現性のVFC、作動のWEの構図は変わりませんが、PDWに似合う30連タイプマガジンをフルで撃ちきれないのはマイナスですね。

装弾数が多すぎるだけなんですが、マガジン形状と併せて詰めの甘さを感じます。

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バーストメカとボルトストップメカは確実に作動するので、メカ好きにはたまらないギミックですが、冷静に考えると前者は使用頻度が低く、後者は操作に一手間あって面倒なこともあり、競合に対して特別優位とは言い切れません。

製品自体が悪いわけではありませんが、国内価格でWE製 MP5K PDWを選ぶ積極的な理由は見つからないようです。