東京マルイ サムライエッジ
〈アルバート.W.モデル01〉レビュー
〈2017.05.17.加筆〉

レビュー

アルバート.W.モデル01の簡単な設定説明

東京マルイとカプコンとのバイオハザード限定タイアップモデルの第14弾として発売されたサムライエッジ〈アルバート.W.モデル01〉は、ゲーム「バイオハザード7」ダウンロードコンテンツに登場すると言われています(同タイプのものは本編ラストに登場済み)。

付属の解説書によると、既に死亡しているキャラクター「アルバート・ウェスカー」が独自に開発した高性能ウェポンをベースに、新生アンブレラ社が前アンブレラ社の「負の遺産」の回収のために開発した物理的兵器の一つということです。

すなわち、オリジナル「サムライエッジ ウェスカーモデル」をベースに開発された、最新の対B.O.W.用ハンドガンという設定です。

この解説書で開発ストーリーが肉付けされるので、架空銃ながらリアル感が増すので、トイガンとしては本体以上に重要かもしれませんね。

東京マルイ アルバート.W.モデル01 について
※ 以下ウェスカーモデル

パッケージは真性アンブレラ社のロゴと、ゲーム「バイオハザード7」のタイトルロゴ、商品名の入ったシルバーの紙カバーが付きハードケースという、最近のカスタムモデルと同じ仕様です。

ハードケースは「20周年モデル」や「センチネル・ナイン」と同じ大型のもの。紙カバーと同じテイストのシルバーのシールが貼られていますが、このシールは糊が弱いらしく剥がれやすい傾向があるようです。

ハードカバー側面には固有のシリアルNOが入っている(黒く塗りつぶしています)のも、いつもの仕様ですが銃本体にシリアルNOが入っていないのも、いつも通りで寂しいところです。

ケース内には「ウェスカーモデル」本体の他に「レイルスタビライザー」「L.A.M.(ライトアダプター・モジュール)」「オクタゴン・サイレンサー」「マガジン」が納められていて、ケースサイズに合った内容です。

本体スペースにはマガジンを装着した本体を収めることが可能なので、予備マガジン1本を収納することが出来るようになっています。

設定ではベースとなる「ウェスカーモデル」本体と、システムユニットとされる「レイルスタビライザー」「L.A.M.(ライトアダプター・モジュール)」「オクタゴン・サイレンサー」を合わせて「サムライエッジ〈アルバート.W.モデル01〉」ということになるようです。

次に「ウェスカーモデル」本体と、システムユニットそれぞれを見ていきます。

「ウェスカーモデル」本体について

「ウェスカーモデル」本体は、従来のサムライエッジに準じたシルエットながら、フレームは完全新規製作になっているので、ベースのベレッタM92シリーズを更に近代化したようになっています。

フレーム自体は設定上の「超硬質ジュラルミン削り出しフレーム」を再現するために、従来のクロームメッキと異なるサンドブラスト処理されたメッキ処理が施されています。

このメッキのおかげで「レイルスタビライザー」を頻繁に脱着しても、キズが付きにくくなっています。

ダストカバー部はスライド先端まで延長され、ピカティニー規格の20mmレイル仕様となっています。M9A1と異なりレイルスリットが複数あるので、アクセサリーの位置調整が可能になっています。

トリガーガード前面もフラットになっているので、さらに多種アタッチメントの取付が容易になっていると考えられます。

グリップ部分はビーバーテール部が延長された上にハイグリップ加工も行われ、グリップ前後の菱形の滑り止めによってグリッピングも向上しています。ワイドマガジンキャッチの装備など、より使い勝手を向上させたカスタム化が行われています。

グリップ自体はサムライエッジ定番のハイブリッド型グリップで、ウェスカーカラーの黒のメダリオン付きになっています。サムライエッジのアイコン部分ですけど、設定上「S.T.A.R.S.」のメダリオンを取り付けた背景に触れていないのは、不満が残ります。

設定通りなら新生アンブレラマークが妥当な気がしますが、そうすると売れないって事ですかね。

マガジンはシルバーメッキされたオリジナルタイプ。予備マガジンには仕上げが若干異なりそうですが、M92F用クロームステンレスマガジンが流用できそうです。

スライド左側(従来のサムライエッジのカスタムラインではCUSTOM KENDO SHOPと入っている位置)にはモデル名である「ALBERT W.MODEL 01」の文字がシンプルに入っています。

スライド右側にはサムライエッジシリーズ共通の「S.T.A.R.S. R.P.D Special Team」の刻印が。これも設定上、違和感がある刻印です(ラクーンシティも「S.T.A.R.S.」も既に無い訳ですから)。

商品名にも入っている「SAMURAI EDGE」の文字がどこにも無いのも不思議ですね。細かく指摘するより雰囲気を大事にしたと言うことでしょう。

リアサイトはお馴染みのコンバットタイプ。フレームには力が入っているのに対して、スライド回りには変化が無いですね。元々の完成度が高いと言われればそれまですが。

個々のシステムユニットについて

「レイルスタビライザー」

サイレンサー装着用のアダプターで、ウェスカーモデル本体のレイル部分に取り付けます。その際本体のレイルが使用不能になるのでスタビライザー自体にもピカティニーレイルが付属しています。

スタビライザーの名称通り反動軽減の効果があるとされていますが、本体のバレルに干渉していない構造なので銃口を押しつけたまま撃てるメリットの方がありそうですね。

スタビライザー前部には「アンブレラ社」のロゴマークが入っています。新生アンブレラが「アルバートモデル」を、製作したことになっているのを知って納得できました。

スタビライザーには付属のマズルパーツを使って、サイレンサー用のスレッドの無いフラットな形状に出来るようになっています。

〈2017.05.17 加筆〉

マズルの根本にパーツ表に載っていないOリングがあり、それを先に外さないと裏側のねじを外してもバレル交換が出来ない仕様になっています(5/13に東京マルイから補足説明がありました)。

マズルを交換すると、フラットなスタビライザー前部にあるアンブレラマークがより鮮明になります。ルックス的にも良いのですが、「ウェスカーモデル」の特徴であるサイレンサーが付かなくなるので、あくまでオマケ的なスタイルですね。

マルイの補足説明についてはこちらを参照下さい
http://www.tokyo-marui.co.jp/news/awm01/

「L.A.M.(ライトアダプター・モジュール)」

形状的やサイズ的にはライト&レーザーサイトモジュールのようですが、ライトだけの機能になったのはコストや規制面で仕様が無いところでしょう。

側面に最近の実銃によく見られるQRコードが付いていますが、見せかけだけなのが残念です(マルイのHPとかに誘導できれば面白かったのに)。

本体下部のバッテリーロックボタンを押すと、本体後部がヒンジ上に開いてバッテリーの挿入ができます。付属のバッテリーがLR44電池3個をフィルムでパック化されているのが良いですね。

LEDライトの性能は、15mまで照射可能となっているので、同社「CQフラッシュ」と同じモジュールを使っていると思われます。

スチッチを押したときだけ点灯する方式なので、サポートハンドで押しながら使用するのが前提のようですが、少々スイッチが押しにくい感じです。

「L.A.M.」の取り付けは、レイルロックネジを六角レンチを使って完全に取り外して行います。今どきワンタッチじゃない上に工具を必要とするるライトモジュールはイマイチですね。

もっともデザインベースとなった「Steiner Optics」社のレーザー&ライトモジュール「SBAL-PL」の取付も同じタイプなので、マルイの責任だけでは無さそうですが。

それ以外にもパーティングラインがそのままだったり、サイズの割に軽かったりするのでチープな感じが拭えません。性能よりも雰囲気重視のアクセサリーなのに、ローコストのしわ寄せが目に付くのが残念です。

「オクタゴン・サイレンサー」

「L.A.M.」とは異なり、最も手がかかっているユニットが、この「オクタゴン・サイレンサー」でしょう。本体はアルミ製で質感も高く、内部の消音機能もしっかり作り込まれています。

装着方も凝っていて、スタビライザーのスレッド付きバレルにねじ込んで、途中でねじ込めなくなってからサイレンサーをスタビライザー側に押しつけるようにします。

そうするとスタビライザーとサイレンサーが密着するので、その位置でロックボタンを押して固定します。このロックボタンによって、サイレンサーがそれ以上回転する事無く固定されます。平面が多いサイレンサーならではの装着メカですね。

サイレンサーと銃本体の側面が面一になっていないと興ざめですからね。もう一つのメリットとして、サイレンサー後部とスタビライザーが面で接触しているので、ガタも殆どありません。実によく考えられています。

「ウェスカーモデル」本体に「スタビライザー」「L.A.M.」「「サイレンサー」をフル装備したものが、一般に「ウェスカーモデル」としてよく知られているシルエットになります。

最短でフル装備にするのに、はユニットを全て組み上げてから最後に本体と組み合わせるのが一番のようです。本来のユニット機能を考えると若干違和感がありますが、割り切りですね。

他にも各ユニットの組み合わせでいろいろなバリエーションが楽しめます。

どこまで実用性?があるのかは別にして、このような遊びができることもトイガンとしては大事ですよね。

最後に(サマリー)

サムライエッジシリーズの最終モデルとして、こだわりが随所に感じられる完成度の高いモデルだと思います。

「ウェスカーモデル」のオリジナルデザインが発表されてから、かなり時間が経っているのを最新のゲームに合わせるために、設定を含め色々と練った跡も窺えます。

反面「S.T.A.R.S.」時代のサムライエッジの影が強すぎて、設定だけではカバーできていない部分があるのは、今後の展開を含めて気になるところです。

とは言え、わざわざフレームを新造していることから「ウェスカーモデル」のバリエーションモデルもありそうな気がします。

欲を言えばM9A1のエンジンを使った、オリジナルの「ウェスカー」「クリス」「ジル」「バリー」の各モデルが、新たにクラッシックシリーズとして揃うと楽しいでしょうね。

参考資料

コンバットマガジン 2017年4月号
東京マルイ HP(アルバート.W.モデル01スペシャルコンテンツ)