東京マルイ M870ブリーチャー
レビュー

レビュー

実銃についての簡単な説明

レミントンM870はMGCモデルガンでお馴染みのM31の後継モデルとして開発されたショットガンで、民間用だけではなく警察関係、軍用と幅広く使われています。

作動方式はポンプアクション(スライドアクション)と呼ばれるフォアエンドを前後に動かす事で装弾&排莢を行う方式で、弾種を選ばない事や作動の確実性が好まれています。

DSC00326

バリエーションも狩猟用や警察用の他にもサイトやバレル長やストック等の違いによって数え切れないほど存在し、今回もデルアップされた 「M870 ブリーチャー」は ドアブリーチング(室内突入時のドア破壊)を目的に作られたタイプをモデルアップしているようです。

ちなみに、東京マルイのM870シリーズは,レミントン M870をモデルにしていますが、商標の関係でレミントンとは表記されていません。また実銃に備えられているトリガーディスコネクター機能は意図的にオミットされているようで、トリガーを引いたままフォアエンドを前後させる事で発射することができます。

 

東京マルイ M870 ブリーチャーについて

2013年に発売された、ガスショットガン M870タクティカルのバリエとして発売された「M870 ブリーチャー」は、バレルをソウドオフしピストルグリップを付けた短縮モデル。

DSC00313

M870シリーズはコッキング式ショットガンのメカと、ガスガンメカを組み合わせた既存メカの融合です。生産初期のモデルはチャンバー部分に問題を抱えていたようですが、この「ブリーチャー」では改善されているようです。

DSC00310

パッケージはマルイらしいトイっぽい感じのイラストのものですが、前作の「タクティカル」に引き続き、黒を基調とした高級感を意識したデザインになっています。

感心したのは本体の固定にベルクロバンドを使っている事。前作の「M870 タクティカル」にも使われているようですが、固定も簡単な上に輸送時に動く事がないので,緩衝材を多く使う必要もないですね。

DSC00330

手に取ってみると金属フレームを採用しているだけあってサイズの割に重量感があります。また剛性感も充分で、ポンプアクションを繰り返してもフレームやバレルのしなりは皆無です。50cm余りの全長とピストルグリップのおかげで、取り回しはかなり楽です。

DSC00335

フォアエンドはショートバレル用の前後幅が短くフィンガーガードの付いた,実銃写真でよく見かけるタイプですが、レミントン純正のタイプかどうかは不明。形状的にも握りやすく、アクションの軽さも手伝って操作感はかなり良いです。刻印はフレームに「MODEL 870」バレル上に「☆ 12GA, 2 3/4” OR 3”」の口径表示が入っています。

DSC00286

構造上チューブマガジンはダミーですが、フロントキャップを外せば予備シェルを1発入れておく事ができます。これは実用性と言うよりもオマケ的な機能ですけど、こういう機能があると嬉しい気分になるのは確かです。

DSC00292

バレル内には3本のインナーバレルが固定されています。トイガンのショットガンで複数インナーバレル方式を採用したのはマルイのショットガンシリーズと、啓平社のマーベリックだけだったと思います。トイガンならではのショットガンらしさを感じるところです。

DSC00264

ピストルグリップは80年代頃からからレミントンのカタログにも載っている、パックマイヤーグリップ仕様をモデルアップしていますが、メダリオンはオリジナル。一見ゴムっぽいですが内蔵タンクを入れる関係で樹脂製です。

一時流行ったラバー系塗料を使用していないのは好感が持てます。ラバー系塗料は、経年劣化が激しいので年月が経つとベタベタになって修復ができないんですよね。

DSC00268

グリップ部には着脱式のガスタンクが内蔵されます。丸い部分を押せばロックが外れて着脱できます。ガスが無くなった後に外すのは楽ですが、ガス入りのタンクを装着するのはガス圧がかかるので、両手を使わないと難しいです。

DSC00317

ガスタンク自体は結構コンパクトで、上面にある大きな穴が本体連結用。小さい穴がガスの注入バルブです。タンク1本で100発ぐらいは撃てるとされていますが、注入バルブが内部に隠れてしまうので、途中でガスを補充するような使い方はできません

ガスが無くなる2〜3発前までは普通に撃ててしまうので、弾数を数えてないと突然ガス切れになる感じです。ゲームとかで使用する場合は別売の予備タンクを用意しておく方が無難でしょうね。

DSC00261

シェルの装弾(装着?)はフレーム下にある、アンロッキングレバーを押してボルトキャリア風の蓋を開いて行います。この辺りの操作はコッキング式ショットガン時代から、変わらないので便利な部分です。

DSC00323

ショットシェルのデザインは変わってもコッキング式の物がそのまま使えます(下の赤い方はSPAS12発売時・1998年に購入したもの)。15年前のパーツがそのまま新設計のトイガンに使える事自体が凄いですよね。

ガスガンのM9A1なんかも、マガジンはM9のものがそのまま使えるようになっているし、マルイの場合は販売数が多いので共有パーツをむやみに変更できないのかもしれませんが、旧モデルのマガジン等が使い回せるのは便利です。

DSC00277

エジェクションポート内にあるのが発射弾数の切り替えレバー。レバーと呼ぶには小さいパーツですが、これを後ろ側に動かせば3発、前に動かせば6発同時発射となります。

DSC00294

フレーム上面にはピカティニータイプのレイルが標準装備されています。この「ブリーチャー」にはサイト自体が備わっていないので、コンパクトなダットサイト等を乗せるのに有効だと思います。

また、オプションで発売される純正のショットシェルホルダーはこのレイルと装着に使っている3本のネジを使って固定する方式になっているようです。

DSC00296

気になったのがフレームの表面処理。やたら指紋が目立ちます。シェルの入れ替えや、発射弾数の切り換えをするのに何気に触っただけでこうなります。拭けば別に落ちますけど、妙に気になります。色目がブラックというよりもダークグレー調だから目立つだけなんですかね。

DSC00272

気になると言えば、フォアエンドの付け根部分のマガジンチューブ部が最初から禿げていました。個体差だとは思いますが、新品でこれは気になりますね。こ出荷前のチェックには引っかからないってことは、これが日本クオリティ?

実射についての簡単なコメント

コッキング式のショットガンシリーズと異なり、ポンプアクションが軽いので連射が非常に簡単。おまけに重たいコッキングを意識する必要が無いので、集中して狙える感じです。

シェルの装弾数が30発なので、6発モードだと5連射なのであっという間に撃ち終わります。集弾性は、3発モードだと5m程度では同一箇所に固まって集弾するのに対し、6発モードだと広めに散らばる感じです。

「M870 タクティカル」の初回ロットで問題になったラピッドファイアー(トリガーを引いたままフォアエンドを前後させて連射する)も3発・6発モードとも問題無く連射できました。今の所チャンバーパッキンの破損とかはありません。

さすがに一年も経てば、改良されているんですね。

東京マルイ M870 ブリーチャー 実射動画はこちら

 

最後に(サマリー)

DSC00333

複数弾を同時に発射するショットガンのトイガンとしては、このマルイ製 M870シリーズが一つの完成形なのは確かでしょう。

金属製のバレルとフレームを備え、弾速規制がある中で3/6発モードを実用的に備え、ポンプアクション時には金属フレームならではの金属音を響かせることができるんですから、文句なしです。空撃ちだけでも充分遊べる仕様です。

唯一残念なのが、シェルの装填・排莢ができない点ですが、現状では無い物ねだりに近いので、この点を深く考えてもね。
暫くはエアソフトガンではライブシェル式のショットガンはマルゼン方式以外はは難しいでしょうね。モデルガンでもタナカのM1897以降ショットガンの新作は作られてないので、中々難しいんでしょうね。