タナカ 二式擲弾器
Old Toy Gun Reports Special-01

ギャラリー

既に製造されていない懐かしのモデルガンを中心に取りあげる「Old Toy Gun Reports 」
今回は特別版としてタナカが過去に生産していたモデルガン用アクセサリー「2式擲弾器」を紹介します。

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実銃の簡単な説明

1942年(昭和17年)に制式化された2式擲弾器は、ドイツのシースベッヒャー(ライフルグレネード)の技術を元にして作られた小銃用擲弾発射機で対戦車兵器として開発されました。

小銃の銃口に本体のクランプ部分で挟んで固定し、小銃の木製弾(空砲弾という説もあります)を使って、カップ上の発射機に装填した対戦車弾(タ弾)を発射する仕組みになっています。

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この対戦弾はノイマン効果によるメタルジェットの噴出で装甲版を貫徹させる仕組みで、成形炸薬弾ということになります。40mm径の対戦車弾で50mmの装甲を貫徹できたと言われています。

タナカ 2式擲弾器

発売時期は不明ながら、CMC亡き後タナカが旧軍関係の小銃を発売していた90年代頃発売された記憶があります。当時は長ものモデルガンの発売が続いていた時期で、ショウエイがMP44用にシースベッヒャーを販売していた時期と同じ頃だったと思います。

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本体は亜鉛ダイキャスト製で、実物では2ピース構造になっている銃口カップ部分は一体成形になっています。

残念ながら対戦車弾は付いてきません。削り出しで作られた銃口部はねじ込みされているので伸長させる事で射程を伸ばせたとも言われていますが、タナカ製では一体になっているので鋳物製のようです。

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銃口部にはライフリングが入っていたはずですが、タナカ製にはこれも無し。内側は結構ザラザラです。

保有個体だけかもしれません、銃口部の厚さが偏っていて、手作業感丸出しで鋳物感全開なのが残念なところ。この辺りはもう少し気を遣って仕上げて欲しかったですね。

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可動部は、小銃の銃口を挟み込むクランプ部分を実銃同様開閉できます。この辺りは銃口と異なりかなり良い仕上げになります。

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クランプ裏側にはしっかり刻印が。「に」は名古屋造兵廠、「53」は昭和18年を指しているそうです。シリアルナンバーは「12530」。秘密兵器と言われた割には、それなりの数は作られたようです。

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小銃への取付は、クランプ部分を開いて、小銃の銃口をフロントサイト基部まで嵌め込みます。その後、クランプ部を閉じてL字ねじを締め付けて擲弾器を固定します。

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99式短小銃に取り付けると、かなりフロントヘビーになります。これに実際は対戦車弾を装弾するんだから大変だったでしょうね。特に日本軍の場合は直接照準で使ったらしいので、なおさらでしょう。

このモデルは既に製造中止になっているものを、パッケージ無しでMULEのHPで販売していたモノを購入したものです。まだ残があるようなので気になる方はチェックしてみてはいかがでしょう。

MULEホームページ(2式擲弾器販売ページはこちら)

参考資料

日本の武器兵器(須川 薫雄 氏著)HP(2式擲弾器のページはこちら)シカゴレジメンタルHP(2式擲弾器のページはこちら)