KSC P226R(HW)レビュー

レビュー

実銃についての簡単な説明

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SIG P210の後継ピストルとして開発されたP220をダブルカラムマガジンの採用等で拡大発展させたモデル。

80年代に開催された米軍制式拳銃トライアルにおいて、正式採用となったベレッタM92Fに匹敵する評価を得たことで、各国の特殊部隊や警察組織に多数採用されるようになって、更に評価を高めました。

開発当初はスチールプレススライドでローコスト化を図っていましたが、90年代にNCマシンによるステンレススチールの削り出しスライドに変更されています。後にレイル対応フレームのバリエーションモデルがP226Rとして開発されました

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ポリマーフレーム&ストライカー方式のハンドガン全盛の中で、P226シリーズは金属フレーム&ダブルアクション方式で古い世代に属するが、現在でも依然として評価が高い。

現行モデルは2010年に開発されたP226E2モデルと同等のものがP226Nitronの名称で販売されている他、ショートセットトリガーのP226LEGIONとして更なる発展改良がなされています。

KSC P226Rの概要

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KSCのP226Rが発売されたのは2006年。アウターバレルのみショートリコイルするブローバック方式で現在の「システム07」とほぼ同じ構造を持っていました。

オリジナルのP226R以外にP226Rタクティカルなどがバリエーションで作られましたが、スライド&フレームは全てABS製でした。

2016年9月に発売されたP226R(HW)モデルは、スライド&フレームにHW素材を使用し、新型HOPチャンバーと改良されたブローバックエンジンのシステム07モデルとなっています。

マガジンは06年発売のモデル(以下旧モデル)と同じ仕様で互換性が保たれています。

KSC P226R(HW)について

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10年ぶりにリニューアルされたP226R(HW)はスライド&フレームにHW素材が使われているのが外見上の特徴で、全体がマットフィニッシュ調となり実銃に近い雰囲気になっています。

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パッケージは旧モデルのブラックのものからブルーグリーンに変更され、右上に「SYSTEM7」の文字が入った以外は同じデザイン。旧モデルと同様、商品名としてはSIG&SAUERのブランドは使われていません。

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HW化によってマガジン込みの重量は約890gとなり、実銃の845g(諸説あります)に近いものになっています。旧モデルと比べて約75gの増加ですが、体感的にはそれ以上に重くなったように感じます。

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スライド形状は90年代以降のステンレス製スライドをモデルアップしています。

スライド左側の刻印は「SIG SAUER P226」のモデル名「STAINLESS」の素材表記と「SIGARMS INC. EXETER-NH-USA」の製造社名・所在地刻印が入っています。

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右側フレームにはSIG社のロゴと「SIGARMS INC. EXETER-NH-」社名・所在地告知、「FRAME MADE WITH RAIL」レイルつきフレームの表記と「XX0」で始まる個別のシリアルNO.が入れられています。刻印については旧モデルからの変更はありません。

また、個体特有のものかもしれませんが、スライド&フレーム先端部分にHW特有の湯流れによる地肌の荒れが目立つのが気になります。

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フレーム左側のグリップ回りにはデコッキングレバー、スライドストップレバー、マガジンキャッチが配置され高い操作性を実現しています。マガジンキャッチは実銃同様臭の入れ替えが可能です。

独立したデコッキングレバーは、当時一般的だったワルサー型のデコッキング機能を兼ねていたセフティレバーを見慣れていた目には画期的に映りました。

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グリップは実銃用のHOGUE社のラバーグリップが付いています。オリジナルのプラグリップに比べて若干厚みがありますが、問題無く手にフィットします。

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バックストラップ部でグリップがフレームを覆うタイプの2ピースグリップは、合わせ目のズレが気になることが多いですが、このモデルでは全く問題ありません。

以前とは違って、ラバーグリップの成形技術も良くなっているんですね。

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サイトは旧モデルと同じ、ホワイトの3点ドットが入った見やすいもの。若干フロントサイトのドットが小さい気もしますが、バランス的には悪くありません。

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ダストカバー部のレイルはパーティングラインも無く綺麗な仕上がりです。後加工でしょうか、こういう仕上げの良さはKSCらしさを実感できる部分です。

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シュアファイアのウェポンライトを取り付けてもガタ無くピッタリはまりますが、逆にぴったりすぎて取り外しが大変なぐらいでした。

最新のウェポンライトはワンタッチ取付から微調整できるネジ止め形式に変わっているので、気にする必要は無いかもしれません。

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マガジンは旧モデルと同じ25連マガジンです。実際の使用には1発少ないぐらいにしたほうが装着しやすいです。

また、マガジンフォロアーを下部に固定できるのでBB弾の装弾は簡単。この機能にマルイのようなレイルから流し込めるような機能が付けば完璧なんですけどね

次は簡単に内部を見ていきます

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通常分解はスライドをホールドオープンさせてからマガジンを抜き出し、テイクダウンレバーを下に回してスライドストップを外してスライドを前方に抜き出します。

他の機種のようにテイクダウンレバーが回りにくいことも無く、通常分解が最も簡単なモデルだと思います。

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チャンバー部分を見てみると、HOPアップチャンバー部分が新型になっていて、HOP用の突起が面で接種区するタイプから、評判の良い2点接触型に変更されています。

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HW化されて気になるスライドストップノッチは、残念ながら削れ対策はされていません。P226Rのスライドストップレバーはプレス製で、ノッチが削れる可能性が大きいと思われます。ここはメーカーに何とか対応して欲しかったところです。

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次にフレーム側を見ていきます。実銃グリップを装着可能とするため、旧モデルと比べると亜鉛ダイキャスト製のメインスプリングハウジンの形状が変更され小型になっています。さらにフレーム後端にも新たに切り欠き部分が作られています。

このため旧モデルのグリップは新モデルには付きますが、その逆は無加工ではできません。

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旧モデルの弱点だったフレームのマガジンキャッチ部分のヒビ割れ対策として、マガジンキャッチスプリングが長くしなやかなスプリングに変更されています。現状では効果は未定ですが、気持ち的に安心できますね。

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シアー周りを見てみると、インパクトハンマーの形状が変更されています。変更意図は不明ですが、ハンマーの打撃力を効率的にバルブに伝えるための改良か強度UPと思われます。

ハンマーの打撃面も旧型の平面からアールの付いた形状に変更されています。こちらはスライド後退時の抵抗を軽減するためと思われます。

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それを裏付けるようにブリーチ下面の形状が変更されています。旧モデルが後加工でなだらかな傾斜を付けているのに対し、新モデルでは最初から、なだらかな傾斜のついた形状になっています。

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ブリーチ部分を見てみると、旧モデルのシリンダースプリングがシリンダー上面に2本配置されているのに対し、新モデルではシリンダー内のセンターに1本配置されているようです。

シリンダー自体は同じものに見えますがパーツ表では新しくなっているので、微妙なサイズ変更が行われていると思われます。

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(旧モデルのピストン部分)

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(新モデルのピストン部分)

シリンダーを動かしてピストン部分を見てみるとピストンの形状変更はありますが、ピストンカップまでの長さは変わっていないようなのでシリンダーの容積UPは図られてないようです。

KSCのHP上の「>インナーバレル/精密チェンバー/シリンダーのセンターが同調し、射撃精度と作動安定性が大きく向上」と書かれているように、

シリンダーの中心にシリンダースプリングを配置して、シリンダー(ノズル)のブレを無くし、ガスの効率化を図ることが目的のように思われます。

また、ピストン部分の肉抜きがされていないのは、作動性の向上によって反動を強める余裕ができたと言うことでしょう。

実射についての簡単なコメント

スライドがHW化されたので、旧モデルに比べると反動がかなり強くなっていて、作動音も気持ち重めになっています。それでいてブローバックのスピードは速くモッサリ感はありません。

HWならではの重さと反動は撃ちごたえも充分で、夏場なら1マガジンを問題無く速射で撃ち切ることが可能です。

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初速は0.2gBB弾使用時(室温26℃)で72〜4m/s前後とバラツキは少なめ。旧モデルと比べると10m/s低い初速でした。

やはり初速よりもブローバックの作動性に重点を置いた調製がなされているようです。集弾性や実射動画については、後ほど追加する予定です。

最後に(サマリー)

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新型P226RはHW化や実銃グリップでリアル面の付加価値を高め、エアガンとしての性能を高めることに成功しています。モデルガンメーカーらしい妥当な改良と言えるでしょう。

気になる点は実銃としては評価の高いP226が、トイガンとして人気が高いかどうかですね。

KSCには国産メーカーとして、年に1機種ぐらいは完全新規のトイガンを出して欲しいんですけどね。難しいのは分かっていますが、個人的には昨年の東欧路線で「スチェッキン」や「WZ.63」を期待したいですw