WA コルト M45A1 CQB レビュー
(2016.10.06. VZグリップ取付 加筆)

レビュー

実銃についての簡単な説明

2012年にアメリカ海兵隊にMEUピストルとして知られるM45の後継モデルとして、制式採用されたのが、コルト M45A1。

軍用コルトM1911A1の生産が1945年に終了して以降、コルト社としては久しぶりの軍用制式ピストルとして話題になりました。

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ベースとなったのは民間モデルとして発売されていたコルト XSEにアクセサリーレイルを付けた2009年発売のコルトレイルガン。主な仕様の違いは見るスペックのM1913ピカティニーレイルを採用し、レイル溝の幅が広がりレイル自体も大型化しています。

デザート・タンのセラコート仕上げとG10グリップの外見を見る限りはレイルガンとは全く異なった印象を受けます。このM45A1の市販モデルが「コルト マーリン ピストル」と言われ、M45A1との違いは刻印程度と言われています。

 

WA コルト M45A1 CQBピストル GBBについて

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WAのコルト M45A1 CQB ピストルの発売は2年ほど前だったと思いますが、後加工の多い限定カスタムモデルのため初回ロットは直ぐに売り切れて、数回再販された記憶があります。今回紹介するのは2015年度発売の物です。

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パッケージは、WAお馴染みのダンボールケースですが、見慣れた「SCWマーク」ではなくWAのロゴマーク仕様のものになっています。

元々「SCW」は「Shibuya Custom Works」の略で渋谷限定カスタムの名称でしたが(一方でSCW1〜SCW3の作動メカの名称にもなっていたので分かり難かった)、一般流通販売を中止してから渋谷店直販とネット直販の販路だけになったので、渋谷をクローズアップする意味合いが薄れたのでしょう。

よく見ると従来のWAロゴをサイトブレードのラインで囲ったものになっています。最近のWAの広告はすべてこのタイプになっているので、ロゴマークも新しくなったようです。

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パッケージ内は従来通り。取説以外はBB弾とバレルレンチが付属します。コンパクトなスペース内に予備マガジンが入るスペースがあるのは立派です。本体が入っているビニール袋がかなり厚手で丈夫なのは目立たないけど良い事ですね。

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本体は特徴的なデザート・タン塗装とグリップのカラーリングで、かなりよく似た雰囲気です。マガジンは、実銃のウイルソン・コンバット製スチール マガジンに合わせたブラック仕様のものが付属します。

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スライド左側刻印は実銃どおり「COLT ☆☆☆ USMC」となっています。「USMC」は「United States Marine Corps(アメリカ海兵隊)」の略ですね。刻印がよく似た書体でキレイに入っているので、実銃の雰囲気はでています。

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右側の刻印はスライドにはお馴染みの「COLT GOVERMENT MODEL」フレームには製造社所在地「COLT’S PT F.A. MFG.CO. HARTFORD. COWN. U.S.A.」とシリアルNO「02349EGA」、レイル部分にはQRコードと「(17V)13629」「(1P)M1070CQBP」「(S)02349EGA」「U.S.」が刻印されています。

軍用のM45A1には「U.S. PROPERTY」の刻印が入っているはずなので、細かく言えばWAがモデルアップしているのは市販モデルのコルト マーリン ピストルということになりますね。シリアル以外のナンバーは不明ですが、共通ナンバーのようなので形式ナンバーか何かですかね。

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付属グリップはMIL−TAC製G10グリップに似せたプリント仕上げで、実物のデザートカモを良く再現しています。ベースが通常のガバグリップなので、独特のダイアモンドチェッカリングは再現されていませんが握らなければ分からないレベルです。

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ダストカバー分のレイルは、M45A1の大型レイルを再現するためにフレームに金属レイルパーツを被せています。サイズや強度の面では良い部分もあるので一概に否定はしませんが、レイル後端のトリガーガード付近の形状が全く違うのは残念です。

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レイル部分を下側から見ると、取付用のビス穴が空いているのは仕方が無いにしても、トリガーガード前面のリリーフカットが完全に省略されているのも気になるところです。

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トリガーはソリッドのロングタイプ。実銃はアジャスト用のスクリューが無いタイプのようですが、生産ロットによって、このようなタイプのものもあるのかもしれません。

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リアサイトはノバックタイプで、しっかりと「MOVAK’S」の刻印が入っています。セフティレバーは実銃のコルト・アンビセフティとは微妙に形状が異なります。

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右側のアンビセフティ形状はスウェンソンタイプそのままで、グリップ固定用のベロの形状がコルト・アンビセフティの形状とと全く異なります。

以前はこのようなパーツは新規に製作していましたが、最近はパーツ流用型用されるようになったようで、残念ですね。

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バレルブッシングはシルバーグレーのような色目。実銃では黒いタイプの他、このようなタイプのものも画像で確認できますが、ミリタリー用としては目立ちすぎの気がします。最も実銃では発射後は発火煙でかなり汚れる部分です

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チャンバー上には「− COLT 45AUTO N.M.−」の刻印が入っています。刻印だけでもナショナルマッチバレルの雰囲気があるのは気分が良いです。

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一般のガバメントと同様、通常分解は最初にスライドストップレバーを外して行います。スライドストップレバーの軸に抜け防止の溝がありますが、リコイルスプリングが弱いので分解自体は非常に簡単です。

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フレームのダストカバー部に金属レイルを止める2本のプラスネジがあります。普段は見えない部分ですけど、こうして見ると残念ですね。

反面、強度的な安心感がある上に重量のある金属レイルが前方にあることで、グリップ(マガジン)中心の重量バランスが若干改善している気がします。

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スライドストップノッチには、ノッチ削れ対策の金属パーツが埋め込まれています。気持ち金属パーツの方が出っ張っているので、スライドストップレバーが金属パーツのみに当たるようになっています。完成度の高い対策ですね。

スライド内部はデザート・タンカラーの塗り残し部分がありますが、却って実銃ぽくってリアルな雰囲気です。ブラック以外に塗装されたトイガンに余り違和感を感じませんが、塗装ハガレや傷が付いたときに全くの同色で補修できない欠点があるのが嫌ですね。純正の補修カラーを発売してくれるだけで解決することですが。

実射についての簡単なコメント

購入したモデルは、ブローバック性能がイマイチで、まともに発射できたり出来なかったりが続いたので、WAのサービスカウンターに持っていったら交換になりました。

原因は内部トラブルのようですが不明とのことでしたが、交換した今の個体は快調なので一安心。購入初期の不調は変にいじらないで、WAにチェックしてもらった方が良さそうですね。

▼ WA コルト M45A1CQBピストル の実射動画はこちら ▼

スライドがHWということもあって反動は重めでもスライドの動き自体は速く、モッサリしたところはありません。シングルカラムマガジンなのにもかかわらず速射性能も高く、冬場でも1マガジン21発を撃ち切ってスライドストップします。

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集弾性はは5mの近距離から依託射撃で0.25gBB弾を使用した結果ですが、5cm以内にまとまります。射手の技量と老眼を考えれば立派な性能だと思いますw

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初速は0.2gBB弾使用時(室温21℃)に75〜78m/s前後とバラツキは少なめです。競合メーカーよりも若干高めの傾向ですね。

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今回、実射時に300発程度撃ちましたが、実射後スライドストップノッチには何の変形もありません。ノッチ対策もマグナブローバックと同様プルーフされてきたということでしょう。

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反面スライド右側前部にダストカバー部と擦れた跡が付いてしまいました。これさえなければ普段から撃ちまくれるトイガンなのに残念ですねの。

原因は組立時の微妙な寸法差によるスレだとは思いますが、補修塗料がないので現状は汚れを落として目立たなくするしかありません。対策としてはフレーム内を見てスライドと当たりそうな場所を削るしか無いですね。

最後に(サマリー)

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実銃の発表後直ぐにモデルアップした迅速さは、ガバカスタム中心のメーカーだけのことはあるフットワークの良さです。未だに国内で購入できるM45A1のトイガンはWA製しかありません。

気になる点は、イメージはともかく細かい部分の再現性が低下していて、以前はコルト・アンビセフティのような特徴的なパーツは新規で作っていたのに既存パーツの流用で済ませています。

後加工の多い少量製作の高価格帯のカスタムガンというのがWAのポジショニングだと思うのに、細かいパーツが流用ばかりだと萎えますね。末期のMGC(タイトー時代)を連想してしまいますので、何とかこれ以上コストを上げずに頑張って欲しいですね。

実銃が使用しているMIL−TACのG10グリップの扱いが無いので、以前のウィルソングリップのように輸入販売をしてくれると嬉しいですね。

〈2016.10.06 加筆〉

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(左右とも左側:実銃用VZグリップ、右側:WAオリジナルグリップ)

M45A1に装着されているVZグリップが国内でも入手できるようになりました。M45A1に装着されているのは「ダイアモンドバックパターンのブラックデザート タン G10」というタイプで、比べてみると色目が全く異なっています。

販売されているVZグリップはグリップスクリューの穴がオリジナルガバメントサイズなので、WAのM45A1に取り付けるには加工が必要となります。

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WAオリジナルグリップとは、滑り止めのテクスチャーが全く異なっています。素手でグリップしても痛くなるほど鋭くはありませんが、滑り止め効果は抜群です。

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取り付けて見るとオリジナルよりも実銃に近づいて、かなりリアルな雰囲気になっています。ガバ系はグリップによってイメージが大きく変わりますね。

 

WA コルトM45A1CQBピストル 通常価格41,040円(税込)

参考資料

GUN Professionals 2014年3月号