UMAREX (VFC) Hecler & Koch
HK45CT レビュー

オススメ, レビュー

実銃についての簡単な説明

HK45はUSP45を開発ベースにしながら、P2000、P30のノウハウを生かしたアップデート版ということができます。さらに開発アドバイザーとして、元デルタ隊員のガンスミス ラリー・ビッカースやケン・ハッカーソンを採用したことで特殊部隊の隊員が好むデューティーガンとしての性格を強く持つようになっています。

特徴的なのはマガジンで、USP45の12連マガジンを採用せず、USP45コンパクト用の細身のマガジンを延長した10連マガジンを新規に製作。結果、グリップのスリム化とグリッピングの向上による高評価を達成しています。

HK45のバリエーションモデルとして3.9インチバレルと8連マガジンのHK45Cが開発されました。グリップデザインがHK45のものと異なり、P2000に準じたものとなっているのが、外見上の特徴です。

サプレッサー用スレッド付きバレルを装着したものが現在SEALに限定採用されています。

このモデルがHK45CTと言われていましたが、現在ではスレッド付きバレルを装着しメプロライト社の「Tru Dot」サイトを搭載したモデルがHK45CTとして市販されているようです。

UMAEX/VFC H&K45CT について

パッケージはUMAREX社製H&Kトイガンの共通パッケージ。製品名は例によって側面のシール対応のみ。VFCの文字は相変わらずありませんが、国内販売では「VFC」をつけるのは何故でしょうか。

「For sale in Asia Only」のシールはアジア向け製品とのことでしょうけど、特に「JP.ver.」というわけでは無いようです。

パッケージ内にはこのような感じ。N式(1枚のダンボールを折りたたんだ箱)ダンボールのローコスト汎用パッケージですが、付属品を収納できてダンボールそのものが簡易緩衝材になる設計は感心します。

本体以外の付属品は取説、交換用のMサイズのバックストラップと、ロックアウトデバイス用のキーが付属します。説明書は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語で書かれています。アジア向けと言っている割にはアジア圏の言葉がありません。

内容的には写真付きで簡単な操作方法ぐらいしか書いていないので、英語版で充分ですけどね。

いよいよHK45CT本体を見ていきます

発売されたのは7月中旬でしたが、発売前から供給元について同社USPシリーズを手掛けている「KSC(KWA)」製だとか、VP9を手掛けた「Stark Arms」製だとか言われてきました。

実際に製品を見る限りは「KSC(KWA)」メカをコピーした中華製(恐らく台湾製)で、第一印象はクオリティ的には一段落ちるというもの。これについて細部を見ながら検証していきます。

ぱっと見はコンパクトに思えますが、フルサイズのHK45と比べると、スレッドバレルのせいで全長はほぼ同じで、全高はマガジンバンパー分小さい程度です。

それ程コンパクトになっていないのが分かりますが、それでもスレッドバレルまで入れてもコマンダーサイズなんですよね。

スライドは前作VP9とは異なる黒のツヤ有り塗装仕上げで、しかも塗装が厚塗りのためエッジもダレ気味です。一昔前の海外製トイガンに良くあったチープ感が漂う仕上がりで、第一印象を大幅に下げています。

スライド刻印の「HK45C .45AUTO」は型で入れられたもの。スライド下段の刻印(ホワイトのプリントですが)は2014年以前の鷲のニトロプルーフマークと製造年の略称「AK(09年製)」。

鹿の角のウルム検査場マークとシリアルNO、ドイツの国名コード「DE」が入っています。

不思議なことに刻印から見ると、8年前に製造された古めのモデルをモデルアップしているようですね。

コントロールレバーはアンビタイプで、実銃どおりの樹脂製となっています。ハンマーは何とスチール製。ハンマー側面の滑り止め加工も樹脂をコーティングして、キチンと入っています。

KSCのリアルライブオペレーションメカと同等のメカを採用しているので、最初にスライドを引かないとBB弾の発射が出来ません。その際コック&ロックができたりハンマーデコッキングができるコントロールレバーが非常に有効です。

サプレッサー用のスレッドバレルは16mm正ネジタイプの特殊なもの。と言ってもKSCのSOCOMサプレッサーがそのまま流用できます。

フレームのレイル部に小さく「Licensed Trademark of Heckler & Koch GmbH」と商標認可の文字が入っているのはUMAREX製H&Kハンドガンのお約束ですね。

チャンバー刻印は社名「H&K」、口径表示「.45 AUTO」ニトロプルーフマークのみ。フレームトリガーガード付け根の刻印は「HK Side arms BmbH Made in Germany」となっています。

リアサイトがHK45と同等のものなので、このモデルはHK45Cにスレッドバレルを付けた、ミリタリーバージョンをモデルアップしていると思われます。

このモデルでスライドの仕上げの次に気になる点が、スライドトフレームの間のスキマ。気持ちフレームの高さが足りないみたいで、右側から見るとトリガーバー等が外から丸見えです。

web上で同じようなモデルを散見することができるので、所持モデルだけの問題ではないようです。

リアサイト、フロントサイト共にホワイトドットが入ったもの。通常使用では問題ありませんが、ドットのペイントが少々雑なのが残念です。

グリップはP2000に準じたデザイン。グリップ側面が平なのでHK45程のフィット感はありませんが、握りにくいと言うほどではありません。マガジンレストが無いと小指が余るサイズです。

グリップ下部のピンを外すとワンタッチでバックストラップの交換ができます。本体に付属しているのはSサイズですで、交換用はそれよりも大きいMサイズになります。

バックストラップをMサイズに交換したところ。若干上部が盛り上がっているのが分かるでしょうか。個人的には多少太くなりますが、手の水かき部分がフィットするMサイズの方が握りやすい気がしています。


▲UMAREX製 HK45CTのトリガー

このモデルで、最も気に入らない部分が、実銃と形状が異なり長さも不足しているトリガーです。しかもトリガー付け根の左右の出っ張りのサイズが大きく、トリガーガード内に飛び出ているのでトリガーフィンガーに触れて邪魔になります。


▲KSC製HK45のトリガー

KSC(KWA)のトリガーは焼結金属製だったので、実銃どおりの形状でも強度が出せたのを(それでも折れやすいとの声もあります)、このモデルでは通常の亜鉛ダイキャスト製にしたため、強度を増すために分厚く形状変更をしたと思われます。


▲UMAREX製 HK45CTのマガジンキャッチ


▲KSC製HK45のマガジンキャッチ

マガジンキャッチはHK45のトリガーガード付け根の左右にあるタイプから、USPのようなトリガー下のタイプに戻っています。これは実銃でも同様の変更ですが、マガジンキャッチの操作で指を挟むなどの問題があると言われています。

実際に握ってみると中指にマガジンキャッチが当たるので、個人的には操作性が低下していると感じる部分です。

グリップ内にはロックアウトデバイスが再現されていて、キーで回すことでトリガーをロックすることができます。トイガンでは ほぼ使わない機能ですが、コピー元のKSC(KWA)製HK45でも当然再現されていました。


上:UMAREX製マガジン、下:KSC製マガジン

マガジンはKSCのようにマガジンフォロアーのロック機構がなく、指でフォロアーを押さえて給弾レールのスキマからBB弾を流し込むマルイタイプにアレンジされています。

マガジン形状自体はKSC(KWA)製HK45マガジンと同形状なので、KSC(KWA)製のUSPベースのマガジンで、実銃のものより太いことになります。

KSCのマガジンをHK45CTに装着することは可能です空撃ちのBLK作動ができます。ただしマガジンリップの形状が異なるため、BB弾を込めるとスライドが完全閉鎖できず発射はできません。


上:左:KSC製HK45マガジン、右:UMAREX製HK45CTマガジン

気になったのが、UMAREX製マガジンのガス放出バルブが出っ張りすぎているように見えます。 ガスの放出を確実にする工夫かもしれませんが、ちょっとの出っ張りに触れてガス漏れを起こしそうで心配です。

次は分解して内部を簡単に見ていきます。

ここまでの通常分解は普通なら何の問題も無いのですが、HK45CTの場合多少コツがいるので、最初に分解方法を簡単に説明しておきます。

USPやHK45と同じくスライドトフレームの分解は、最初にマガジンを抜いてからスライドを後退させ、スライドストップ基部とスライドの切り欠きを合わせて、スライドストップを抜きだします。

HK45CTはリコイルSPガイドを回してHOP UP調整をする独自メカを備えているため、バレル基部とリコイルSPガイドがタイトに結合されています。

その為通常の方法では、リコイルSPユニットをスライドから外すことが困難です。

自分なりの簡単な分解法としては、最初にアウターバレルだけをスライド前方に引っ張ります。

次にインナーバレルを持ち上げて後方に引っ張ると、リコイルSPユニットとアウターバレルからインナーバレルが外れてスライドから取り出せます。

最後にスライドからリコイルSPユニットとアウターバレルを取り出せば終了です(個体差があると思うので、自己責任ってことでご参照下さい)。

組立の際は通常通りインナーバレルを組み込んだアウターバレルユニットをとリコイルスプリングユニットを組み込んでから、位置を合わせてバレル基部とリコイルSPガイドを接合すれば問題無く組み上がります。

HOP調整ダイヤルは、リコイルSPガイド後端部と結合しているので、リコイルSPガイドを回すことでHOP調整ができる仕組みになっています。

スライドを分解しなくても、スライド先端からドライバーなどでリコイルSPガイドを回してHOP調整ができます。リコイルSPガイドの向きが変わるのが難点ですが、外見を崩さない良いアイデアですね。

フレーム側に目をやると、USP〜HK45シリーズ最大の特徴のディテントプレート回りもしっかり再現してあります。

トイガンはヴァリアント別のバリエ展開しないといっても、この部分を省略されるとがっかりしますのでコピーと言えども嬉しい部分です。


左:KSC製HK45、右:UMAREX製HK45CT

ハンマー回りのメカは、ほぼ同じ。多少形状の違いはあるようですがアレンジも何も無く、ひたすら真似た結果ですね。KSCとのパーツの互換製は微妙と思われます。


上:KSC製HK45、下:UMAREX製HK45CT

KSCは、ブリーチ前部をスライドに嵌め込んで、リアサイト用ネジ1本で固定しているのに対し、UMAREX製は、ブリーチ前後3本のネジで固定する方式になっています。

ローディングノズルの形状は若干UMAREXの方が長くガスの流入孔も後方に配置していて、よりピストンのストロークが稼げるデザインになっています。

スライド素材の違もあって、ブリーチ部分は独自のアレンジがなされているようですね。

実射についての簡単なコメント

試射してみるとスライドのブローバックスピードも速く、スライド重量のお陰で反動もそれなりにあります。問題はHOPをかけないフラットの状態だと、確実に弾ポロします。ローディングノズルの長さが原因のようですが、強めにHOPをかければ普通に発射できるので、今後の調整課題です。

発射できれば弾道はフラットな感じですが、下目に着弾する感じです。サプレッサーを付けても影響がないのでパララックスによるものかもしれません。長期的にチェックする必要がありそうですね。

気になる初速は、室温26℃で、東京マルイ0,2gBB弾使用時で77m/s前後でした。反動の強さの割には高めの初速です。その分ガスの消費量は多そうです。

スレッドの付いたバレルなのでSOCOMサプレッサーを付けて撃ってみましたが、付けても作動には問題ありませんでした。厳密にはショートリコイルしていない(アウターバレルが下降するだけ)ので、サプレッサーの重量が作動に影響を与えないのかもしれません。

先にマガジンのガス放出バルブについて書きましたが、案の定マガジン装着時にバルブノッカーと接触してガス漏れを起こします。マガジンキャッチを押し込んだままだと問題無いので、ノッカーの調整で直りそうです。ちなみに予備マガジンでも同じ症状が出るので、固有マガジンの問題では無さそうです。

最後に(サマリー)

最近は海外製トイガンのレベルが上がっていたので、このモデルも期待していましたが、正直がっかりしました。作動そのものは悪くはありませんが、細部の再現性や仕上げは黎明期の海外製トイガンのレベルに感じます。

KSC(KWA)がOEM先であれば、このような低いレベルのトイガンにはならなかったと思うんですが、これもコストの問題ですかね。今までのUMAREX、(VFC)ブランドより、製品レベルが低いのは確かです。

とは言え新規金型の最新モデルは、ほぼ海外メーカー製になっている現状を考えると、このレベルのモデルにも慣れるべきなのかな。スライドを塗装し直してトリガーをKSCのに交換して、バルブノッカーを調整すれば気になる点は解消しますからね。

とは言え国産メーカーのトイガンについて、仕上げで文句を言ったことは過去無かったですけどね。

参考資料

・GUN Professionals 2012年8月号
・GUN Magazine 2014年5月号
・アームズマガジン 2012年9月号
・月刊GUN誌 2009年6月号