ActionArmy AAP-01 アサシンGBB レビュー
ActionArmy AAP-01をに初めて接したのはは、2020年1月に開催されたビクトリーショーのトイガンショップ プ ラウダさんのブース。ルガーMKⅣに似た外観が印象的でしたが、セミフル切り替え可能、販売価格1万円前後、マルイ製グロックとのマガジン共有等のスペックが印象的でした。
実際に販売が開始されたのが4月でしたが人気が高く、手に入ったのは7月になってからでした。
製造元のActionArmyは台湾のエアガンメーカーで、マルイVSRメカを模したエアコッキングライフルT10を製造しています。GBBの製造はAAP-01が初めてのようですが、既存メカの流用と上下フレームを樹脂製としたオリジナルデザインで、低価格を実現したようです。
ActionArmy AP-O1 アサシンについて
パッケージはN式と呼ばれる1枚の厚紙を組み立てた海外製品によくあるタイプ。ActionArmy共通パッケージとして作られているようで、モデル名はシール対応。
箱の上面にはシールでシリアルNOが入り、側面には輸入元「プラウダ」名と「日本仕様」を表すシールが貼ってあります。
パッケージ内には本体とマガジン、取説と初速証明が入っています。マズルキャップや試射用BB弾等はコストダウンのためか省略されています。内箱はパルプモールドで作られた緩衝材を兼ねたAAP-01専用のものになっています。
取説はカラー版16Pで、英語と日本語の2カ国語で、操作手順や日常分解、セフティやマガジンキャッチの左右入れ替え、パーツ表などが分かりやすく書かれています。
国内でのパーツ販売がどうなるのかは不明ですが、基本は各ユニットごとの販売のようですね。
初速証明書は、日本の税関で必要な10発の初速を明記したもの。通常、個人輸入するときに必要になるものですが、企業がが輸入したものに付いてきたのは初めてです。箱のシリアルNOと、初速証明書のシリアルNOは一致しています。
次にAA-P01本体を見ていきます
本体は先に述べたように上下レシーバー共に樹脂製で、ルガーMKⅣに似たオリジナルデザインになっています。GBBにしては珍しく、スライドでは無くボルトが前後するデザインになっています。
ボルトが作動するタイプのハンドガンのGBBは、マルシンのモーゼルM712(コピーしたWEを含む)、14年式に続く3機種目となります。
トリガーはグロックと同じタイプのトリガーロックのあるタイプ。旧タイプのグロックのエアガンと同様、ハンマーコッキング時もハンマーダウン時もトリガー位置は同じです。
トリガー上部にあるのがクロスボルト式のセフティで、デフォルトの状態だと左側から押し込めばセフティがONになり、は右側から押し込むとセフティOFFになります。
マガジンキャッチと同様、分解して組み替える事で左右切り替えが可能になっています。ボルトキャッチレバーは、アンビタイプ。後方に実銃のように「READ INSTRUCTION BEFORE USE」と刻印されているのが興味深いです。
グリップのテクスチャーはオリジナルデザインだけあって独特のもの。特に握りにくくはありませんが、好みの分かれるデザインです。グロックのグリップと角度が同じなので、握ったときに違和感は感じません。
ボルトストロークは35mm程で余り大きくはありませんが、金属製のボルトユニットは重量が約100gもあるので、撃つとそれなりのリコイルを感じます。
ボルトの裏側には、セミフルの切り替えプレートがあって、矢印の「1」側に回せばセミオート。「A」の方向に回せばフルオートになります。
レバーの突起が小さいのとレバー自体の突起でクリック感を再現しているので、エレバーの作動は重く、瞬時の切り替えは困難です。
フロントサイトとリアサイトには集光チューブが入っています。しかもフロントとリアでチューブの色が異なっているので、かなり狙いやすいものになっています。
マズル部分のカバーを外すと、サプレッサー用のネジが現れます。ネジの規格は14mm逆ネジで樹脂製のままなのが若干耐久面で不安がありますけど、同仕様の市販のサプレッサーが取り付け可能になっているのが便利。
サプレッサーを取り付けてみると、このような感じ。太さ30mm径程度のサプレッサーなら余り違和感はありませんが、どうしても後付け感が出てしまうのが残念です。
バレル下面とアッパーフレーム上面には、レールの取付用のスクリュー穴が開けられています。
オプションで販売されている純正レールパーツを購入すれば、拡張性を高める事が可能ですが、樹脂のフレーム穴に直接固定用のスクリューでネジ切りをする事になるので、正確に取り付ける事が必須です。
また同じ理由でネジ穴に耐久製が無いので、頻繁に取り外しするのは避けた方が良さそうです。
マガジンはマルイ製グロック用マガジンと互換性のあるとのこと。要は海外製ならではのコピー品で、外見はそっくりです。背面の残弾指示孔等も再現されていますが、モールドは甘めです。
マガジンはマルイ系メカのグロック用マガジンと互換性があるとの事ですが、マルイ製とUMAREX製マガジンとはガスルートパッキンの形状が異なります。
そのままで使用することは可能ですが、専用マガジンよりも密着度が劣るので100%の性能は発揮できないと思われます。
マルイよりも後発のUMAREX製マガジンがマガジン正面のBB弾投入口の形状を改良して、ほぼ全面からBB弾を入れられるようにして利便性を高めているのに対して、最後発のActionArmy製は、ほぼマルイのまま。
逆にActionArmy製のマガジンベースストッパーはUMAREX製同様、道具を使わず下げられる用に改良されているのは興味深いところです。
ホルスターはマズル部分が抜けているグロック用ホルスターなら、使用可能のようなのも嬉しいですね。
次に簡単に分解してみます
分解はロアーフレーム後部にある分解用ラッチを押しながら、ロアーフレーム前部を軸にバレルを下げることで、アッパーフレーム後部が持ち上がります。そのままアッパーフレームを上に持ち上げるとフレームが上下に分解できます。
バレル基部の6角スクリューを2本外すと、アッパーフレームからバレルユニットを分解できます。さらにリアサイトを止めている2本の6角スクリューを外せば、アッパーフレームからボルトユニットを分解することができます。
バレルユニット下側にある2本の6角スクリューを外すとアウターバレルとインナーバレルユニットを分解することができます。
インナーバレルやHOPパッキンを交換するには、さらにチャンバー部のネジを外す必要があります。チャンバー部のHOPUPメカは、マルイのグロックとソックリです。
ボルトからリコイルSPユニットを外してからボルト前面の2本のスクリューを外すとローディングノズル(シリンダー)が取り外せます。ローディングノズルの断面は上面が平らになっている半円状で、ピストンカップと共にマルイのG18Cと同様の形状となっています。
セミ・フルオートの切り替えの仕組み
セレクターがセミオートポジションの状態だと、ボルト内のセレクターパーツがフレーム右側(画面下側)に寄って、ボルトの後退の動きでトリガーバーを押すことになります。
そうするとトリガーバーが下がることで、ハンマーは(セミオート)シアーにかかります。同時にディスコネクト機能が働きトリガーを戻さない限りハンマーを落とすことができなくなります。
セレクターをフルオートポジションにすると初弾はハンマーが(セミオート)シアーにかかった状態で発射されます。
2発目以降はボルト内のセレクターパーツが左側(画面上側)に寄って、ボルトが後退してもセレクターパーツの長さ分トリガーバーには触れなくなります。その間はトリガーバーが下がらないので、ハンマーは(セミオート)シアーにはかからずフルオートシアーのノッチにかかることになります。
フルオートシアーはボルトの前進によって、ボルトの突起で外れるのでトリガーを引いている限りはフルオートになります。
※セレクターパーツにトリガーバーが当たらなくても、最終的にはボルトによってトリガーバーが下がり、ディスコネクト機能が働いてトリガーを戻すと(セミオート)シアーにハンマーがかかり、フルオートが終了します。
試射後の簡単なコメント
初速だけを落としたJAPAN ver.と異なり、ハンマーSPやガス注入ノズル等を国内仕様の低圧ガス用に変更しているので、ボルトの操作感に重さはありません。
室内での試射なので、HOPをかけずに撃ってみたらタマポロしました。HOPをかけるとタマポロが無くなるので、チャンバーパッキン自体が緩めの設定のようです。
セミオートでは軽いキレの良い反動で、装弾数22発を撃ちきってしっかりボルトオープンします。ボルト後退量が短いので反動自体は軽めですが、その分速射性に優れているのでダブルタップ等はやりやすいです。
フルオートに関しては、オリジナルマガジンでバースト射撃は問題ありませんが1トリガーで1マガジン撃ち切るのは難しいようです。マルイ製やUMAREX製の50連マガジンを使用すれば、何とかなる撃ち切れる感じです。
室温24℃、東京マルイ0.2gBB弾を使用して撃ってみると、気になる初速は78m/s前後。弾道はフラットでクセが無い感じです。ラフな撃ち方でしたけど集弾性は良さそうです。
固定式のインナーバレルと短いボルト作動のブローバックが好影響を与えているのかもしれません。
ActionArmy AAP-01 試射動画はこちら
最後に(サマリー)
オリジナルデザインとは言え、メカのベースとなったグロックとは全く異なる印象のデザインにしたことが、このモデルが人気がある一因ですね。
特に、GBBとしては数の極端に少ないボルト式のブローバック方式にしたところがポイントで、実銃のルガーMKⅣに似せたところも、オリジナルデザインにありがちな違和感の減少に繋がっていると思います。
もう一つの人気の要因は、トイガンとしてのスペックが充実している割に低価格を実現したことでしょう。セミフル切り替え可能で、多数流通しているマルイ系グロックのマガジンが流用可能。オプションのレイルを付ければ拡張性も上がるように作られているので、カスタムベースとしてピッタリです。
それを裏付けるように、既に国内メーカーからもカスタムパーツが多数販売されています。
反面、国内メーカーの作った技術を模した海外メーカーが低価格の製品を生み出した事に納得できない部分があるのは確かです。
既存メカと樹脂製フレームのオリジナルデザインで、低価格エアガンのパッケージを新たに作り出したことは素直に感心しますが、ベースのメカを開発した国産メーカーにとってはたまったものでは無いでしょう。
このモデルの人気で、海外製の低価格なオリジナルデザインのエアガンが増えたりすると、模型的なリアルさを持つ国内メーカーのトイガンがさらに衰退する可能性も出てきます。
結局は市場ニーズの問題ですけれど、国内メーカーには今後も今の路線を堅持して欲しいです。映画やゲーム内で使われた架空銃を含めてオリジナルデザインのトイガンは今ぐらいのシェアバランスが良いですね。
・ActionArmy AAP-01 アサシン・・・・・・・・・・・・・・・13,200円
・ActionArmy AAP-01 アサシン用リアマウント・・・・・・・・・1,089円
・ActionArmy AAP-01 アサシン用バレル&レシーバー レイル・・・1,280円
※メーカー希望小売価格・税込み
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